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結局は甘やかす大人が悪い(下) 歳末は「火の用心」その4

Japan In-depth / 2022年12月16日 12時41分

 ブレイキングダウンとは2021年から格闘家の朝倉未来がプロデューサーとなって始まった格闘技イベントで、クラス制(体重別)1分1ラウンドのみというルール。


 参戦するにはオーディションを受けねばならないのだが、どうも格闘技経験よりも話題になりそうなキャラクターで選んでいるらしい。元迷惑系YouTuberの「へずまりゅう」が幾度か出場しているが、勝率はさっぱりだとか。


 ぱんちゃん璃奈もジャッジを務めていたし、こうした人選自体、前回も触れた通り「悪名は無名に勝る」という論理そのものだろう。


プロデューサー自身、「バズって(ネットで話題になって)なんぼのイベント」などと語っている。なにしろオーディション中にしばしば乱闘騒ぎが起き、それさえも売りものになっているのだ。


 過去に反社会的集団にいたとか、迷惑系だったとかいう人たちを、格闘技を通じて更生させたい、というのなら話は分かる。しかし、そうしたことを売り物にして、カメラもあるところでケンカする姿まで公開するのは(一応はスタッフが止めに入ったりするが)、さすがにどうかと思う。


 今月に入ってからは、不登校系YouTuberと称される「ゆたぼん」までもが参戦を表明した。なんでも、自分の動画やツイートを批判する「アンチ」に対して、ダイレクトメールで「俺と戦え」「逃げんなや」などと挑戦状を叩きつけたとか。逃げるもなにも、選手の募集は11月で締め切られているのだが笑。要は、アンチを挑発する炎上商法が「不発」に終わっただけではないか。


 このイベントは、従来の格闘技の在り方を壊すという意味でブレイキングダウンと名づけられたと聞くが、年端も行かない子供の、再生数稼ぎとも取れる言動に手を貸すようでは、むしろイメージダウンになるのではあるまいか。今や「煽り」の責任も問われる時代となりつつあるのだから。


 突然なにを言い出すのか、と訝られた向きもあるやも知れないが、前回取り上げた杉田水脈・総務大臣政務官の話だ。実は当人の発言以外にも、差別的な投稿に「いいね」をした責任を問われているのである。


 性暴力の被害を公表した、ジャーナリストの伊藤詩織さんに対して、SNS上で、「枕営業の失敗ですね」「見苦しい」「品性がない」「ハニートラップ」といった誹謗中傷が繰り返されたが、これらに「いいね」を押していたというもの。訴訟の対象となった「いいね」は25件に及ぶと報じられている。


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