1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

結局は甘やかす大人が悪い(下) 歳末は「火の用心」その4

Japan In-depth / 2022年12月16日 12時41分

 今年3月の一審・東京地裁判決では、単に「いいね」を押しただけでは、肯定的な感情が幅広く、侮辱と断ずることはできないとして賠償請求を棄却したが、10月20日の二審・東京高裁判決では、侮辱の意図があったと認定した。


 煎じ詰めていえば、被告(=杉田政務官)は公人で強い影響力を持っていることと、自身もくだんの性暴力の一件に関して、メディアの取材に「女性として落ち度があった」などとコメントしていることから、侮辱の意図があったと判断されるとして賠償責任を認めたのである。「いいね」に賠償責任を認めた判決は初めてだが、誰もが「いいね」を押しただけでペナルティーを科せられるというものではない。


 すでに最高裁に上告されており、つまりは係争中なので、立ち入った表現は用いにくいのだが、個人的な感想として聞いていただけるのなら、落ち度があったのはどう考えても杉田水脈・総務大臣政務官の方で、前述の通り特殊事情があったわけだが、差別的もしくは誰かを誹謗中傷するような投稿に、うかつに賛意を表するとリスクを負う、という「一罰百戒」の効果があればよいなと思う。


 さらに言えば、そもそもネット上での誹謗中傷に対して、然るべき対策を取るべき立場にある総務相の大臣政務官が、自ら誹謗中傷コメントを拡散して裁判所から賠償を命じられるとは、笑えない冗談としか言いようがない。


 折からワールドカップ、さらには防衛予算の増額と増税をめぐって議論が紛糾し、格闘技も迷惑系・不登校系も杉田政務官も影が薄くなっているきらいがある。致し方ないことかも知れないが、差別問題や市民社会の良識に反する人たちには、もっと厳しい目を向け、くれぐれも甘やかしてはならないと思う。


(その1,その2,その3)


【追記:訂正】


 先月のシリーズで、サッカーの中村俊輔選手について「平成生まれとして初めてA代表に選出された」との記述がありました。彼は1978(昭和53)年生まれです。


 Jリーガーとしてのデビューが1997(平成9)年であり


「中田英寿らに次ぐ平成世代」


とすべきところでした。お詫びして訂正させて頂きます。


トップ写真:イメージ(記事の内容とは関係ありません)


出典:Photo by Huseyin Yavuz/dia images via Getty Images


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください