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【ファクトチェック】カタールW杯のために6500人超が死んだ→根拠不明

Japan In-depth / 2022年12月23日 23時0分

加えて、ワールドカップスタジアムの建設に直接関係する労働によって死亡した者は37人であると述べている。この記事からは、スタジアム建設で6500人超が死亡したとは言えない。





②アムネスティ・インターナショナル





一方、アムネスティ・インターナショナルの報告書は、「Qatar: “In the prime of their lives”: Qatar’s failure to investigate, remedy and prevent migrant workers’ deaths (カタール:「彼らの人生の最盛期」:カタールは移民労働者の死を調査、是正、防止できなかったカタールの失敗)」である。





この報告書によると、過去10年間で何千人もの若い移民労働者が突然亡くなったが、その根本的な原因を特定することはできていないという。





そのため、彼らの死が労働に関連したものであると断定することが難しく、労働者の遺族は雇用主やカタール当局への補償を請求することが出来ないのが現状であるという。





さらに不可解なことに、移民労働者はカタールへ渡航する前に、健康診断の受診を義務付けられており、身体に異常がないことが確認されてから入国しているにも関わらず、「突然死」しているのである。つまり、死亡診断書では死亡を証明するうえでほとんど意味のない死因で報告されており、労働条件との関連性が指摘されていない。





本報告書では多数の移民労働者が突然原因不明の死を遂げている現状を調査していないカタール当局を批判しており、カタールが長年にわたって移民労働者の死亡を予防、是正していないことを「生命に対する権利と健全な労働・環境条件に対する権利の侵害である」と評価している。





したがってアムネスティも、多数の移民労働者の死亡原因を特定できておらず、またそれに関してカタール当局が適切な調査を行っていない現状を報告しているにすぎない。





■ 他メディアのファクトチェック





本件についてはドイツの国際放送、DW(Deutsche Welle:ドイチェ ヴェレ)が、本件についてファクトチェックを行っている。





その記事が、2022年11月25日付の「Fact check: How many people died for the Qatar World Cup?(ファクトチェック:カタールW杯で何人の人が死んだ?)」だ。





それによると、6500人という数値にはワールドカップ関連のプロジェクトで雇用されているかどうか分からない、無資格の建設労働者、警備員などだけではなく、外国人教師、医師、エンジニアやその他のビジネスマンも含まれているとしたうえで、結論として、移民労働者がどこから来たのか、どこでいつ死亡したのか、彼らの死が仕事関連として説明できるかどうかなど、定義によって異なるとしている。





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