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【ファクトチェック】カタールW杯のために6500人超が死んだ→根拠不明

Japan In-depth / 2022年12月23日 23時0分

こちらでも、サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会組織委員会のサワディ事務局長は29日までに、W杯開催に向けた国内の全ての事業で死亡した外国人労働者らは、推定400~500人だと英テレビ局のインタビューで語っている。





同記事によると、サワディ氏は、競技場建設などW杯に直接関連する事業に携わってカタールに滞在していた外国人労働者の死者は計40人で、うち37人の死亡は仕事とは関係がないとも述べた。





ガーディアン紙は、以前報道した6500の数字について、すべての原因、すべての場所での死亡者数を示していると述べている。そして、カタール政府はガーディアンが提示した6500の数字に異議を唱えなかったが、「これらのコミュニティにおける死亡率は、人口の規模や人口統計学的に予想される範囲内である」と述べているとしている。





・ABCニュース





米ネットワークテレビABCニュースの「Qatar says worker deaths for World Cup 'between 400 and 500'」という記事にも、サワディ事務局長のインタビューの詳細が記されている。





インタビューの中で、英国人ジャーナリストはサワディ事務局長に「ワールドカップのための仕事の結果、死亡した移民労働者の数は、正直、現実的にはどのくらいだと思いますか」と質問している。





この質問に対してサワディ事務局長はこちらでも「推定では400人前後、400から500人です。正確な数字はわかりません。それは議論されていることです」と返答している。





サワディ氏が組織委員会のスポークスパーソンとして、海外の多くのメディアの取材に応え、「6500人超死亡言説」の否定をおこなったことが分かる。しかし、いくらサワディ氏が6500人より少ない死亡者数を主張しても、氏自身が当事者であり、公平性が担保されない以上、その数字を信用することは難しい。





もしサワディ氏が自身の発言の信ぴょう性を証明したいなら、第三者機関による過去の同国における外国人労働者の死亡人数と死因との因果関係を国際的に明らかにするべきだろう。それが出来ないなら、こうした根拠不明な言説が拡散され続けるのはやむを得ないといえる。





■ 結論





以上のことから総合的に考え、カタールW杯のスタジアム建設に携わったことで命を落とした外国人労働者6500人超という言説は、根拠不明であると判定する。





【Japan In-depthファクトチェックポリシー】





Japan In-depthは、NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、ファクトチェックを実施しています。FIJが定めたガイドラインに準拠して、言説の真実性・正確性の評価・判定を行います。政治家、有識者の発言、メディアの報道、ネット上で拡散されている情報など、社会的に影響の大きな言説を対象とします。判定基準は以下の通りです。









トップ写真: FIFA W杯カタール 2022 のスタジアムで建設に従事する外国人同労働者(2019年12月21日カタール・ドーハ) 出典:Photo by Matthew Ashton - AMA/Getty Images




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