1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

戦車に匹敵する攻撃力を持つ装輪偵察車AMX10-RC

Japan In-depth / 2023年1月10日 18時8分

AMX10-RCの車体は開発当時流行したアルミニウム合金の全溶接で全周的に小銃弾や砲弾の破片などに耐えられるが、湾岸戦争参戦を期に増加装甲が付加されている。



写真:側面の増加装甲を外したAMX10-RC。砲塔の低さがよくわかる。


提供:筆者より


注目すべきはジアット(現ネクセター)の48口径105ミリF2ライフル砲という、戦後第二世代の戦車に匹敵する戦車砲を搭載していることだ。



写真:長砲身の48口径105ミリF2ライフル砲と先進的な火器管制装置は第二世代の戦車を凌駕する攻撃力を与えている。砲塔上部には車長用のパノラマスコープが装備されている。


提供:筆者より


弾種はHE、HEAT、APFSDS、発煙弾などが使用できる。また火器管制装置には高度な性能をもつCOTACが採用され、トムソンCSF(現タレス)社の低光量TVシステム、DIVT13を搭載するなど夜間戦闘能力も充実している。このため威力偵察を含めた偵察だけではなく、火力支援、限定的ながら対戦車戦闘も行える(無論装甲が薄いので戦車とまともに撃ち合うことは不可能であるが)。


特に、途上国で多いT-55など旧式な戦車相手に対してはかなり戦えるだろう。かなわなければ高速を活かして戦場を離脱すればよい。携行弾数は砲塔内に12発、26発が車体に収納されており、計38発となっている。また同軸機銃と車長用として2丁の7.62ミリ機銃が搭載されている。これらの携行弾数は4000発となっている。


エンジンは当初ルノーの260馬力のディーゼルエンジン、HS115が採用されたが、出力が不足ということで83年からより出力の高い280馬力のディーゼルエンジン6F11SRXに換装されており、95年までにすべてのAMX10-RCのエンジンが換装されている。駆動系は同時期に開発されていた装軌装甲車のAMX10-Pと共用となっており、片側の車輪の回転速度を落とすことによって、装軌車輛のような超信地旋回が可能なスキッド・ステアリング方式を採用している。このあたりのギミックは如何にもフランス的である。またウォータージェットを装備しており、水上を浮上航行が可能である。C130輸送機による空輸も可能である。


AMX10-RCはフランスの他に、モロッコやカタールの陸軍が採用している。


ジアット(現ネクセター)はAMX10-RCの近代化案として新開発の105ミリ砲G2、スタビライザー、デジタル式の火器管制装置を搭載した電気駆動方式の砲塔、TML105を提案したがこれは採用されなかった。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください