1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

スマホは自分で修理する時代?議論呼ぶ、NY「修理する権利」法

Japan In-depth / 2023年1月12日 19時0分

「修理する権利」法とは、言い換えれば、メーカーは今後、消費者が自分で修理もできるように、修理しやすい製品を提供していかなければならない、という流れを促すことにつながる法律でもあろう。


製品を買い換えるより、今、持っているものを長く使いたい、という消費者のニーズは今後、ますます増えていくはずだ。実際のところ、スマホの買い替えサイクルは年々下落傾向にあるというのも、その流れを裏付けている。


だが、個人的な意見ではあるが「修理する権利」が認められても、実際にユーザーがその権利を行使できるようになるのは今後「修理しやすい製品」が出てからのことになるだろうと想像する。


バッテリー交換をやってみて思ったのだが、基本、作業は全体を通してかなり細かいと言え、1ミリ以下のネジを外して取り付ける作業なども必要となる。ネジの締め方の強さにも実は経験がいる。これだけでもやったことのない人には難しい作業ではある。



写真:スマホの中のネジ。1〜2ミリ前後。(筆者提供)


バッテリーはリチウム・ポリマー電池で、リチウムを含ませてあるポリマーがゲル状になっているため、大変柔らかい。万が一扱いを間違えてドライバーの先端などで傷つけてしまうようなことがあると、重大な発火事故に繋がりかねないリスクもある。


 


 



写真:友人から持ち込まれたパソコン。(筆者提供)


旧機種のため、発売時のOSのバッテリー保護のプログラムが充実していなかったため、内臓のリチウム・ポリマー電池が、熱による化学反応でパンパンに膨れ上がり、キーボード操作に支障をきたしていた。交換したバッテリーの費用は60ドル。リペアセンターに持ち込むと数百ドルかかる上、数日の預け入れとなるが、自分で交換すれば15分あまり。


結局の所、今後メーカーは、製品の完成度と、修理のしやすさを天秤にかけた製品を開発していかざるを得なくなるのではないか。多少、新たな機能やデザインが損なわれても、消費者は、持っているものを長く使うために、修理しやすい製品のほうを徐々に向いていくようになるのではないだろうか。


ちなみに、ユーザーによる日本でのスマホのバッテリー交換であるが、スマホを正規店か、登録修理業者以外が分解すると「技適マーク」の認証対象外となり、再度組み立てて電源を入れた途端、「無線機」でもあるスマホは違法電波を出したことになり、電波法違反に問われ「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」という怖い罰則もあるそうだから、自分で行うのは、現時点ではやめておいたほうが良いだろう。


しかしながら将来を考えれば、今回のNYでの法律の成立やヨーロッパでの流れは、デジタル機器の製造に大きな変化をもたらすきっかけにもなり得る。


スマホ修理の問題のみならず、日本のメーカーが、ゲーム機、デジタルカメラなどを、世界のマーケットに投入し続ける以上、いずれ、日本にも影響が及ぶことは避けられないだろう。


トップ写真:スマホの劣化した内蔵バッテリーの取り外し作業(筆者提供)


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください