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建設費1兆円超!NYに巨大地下駅誕生

Japan In-depth / 2023年1月29日 19時0分

その開業日に様子を見に行ってきた。


110年前に建てられた古い駅舎のさらに地下へ潜ると、いきなり、時空を飛び越えたかのように新しい世界が広がる。地下世界へは、「ニューヨークで一番ながいエスカレーター」がいざなう。その長さ、大きさゆえに、遊園地のアトラクションに乗るがごとくのワクワク感があること、うけあいである。



写真)地下に延びるニューヨークで一番長いエスカレーターⓒ柏原雅弘


とにかく、駅の場所は地下深い。


新ターミナルは、既存のグランドセントラル駅の下に作られたため、地下53メートル、という大深度にある。地上部分から駅のホームまで、最短距離での移動で4分以上かかった。


日本で一番深いと言われる、東京・大江戸線の六本木駅でさえ地下42メートル、というからとんでもない深さである。調べた範囲では、人が出入りできる場所としてはNYで一番深い場所のようだ。駅そのものの構造とすれば、地下5階程度だが、一般的なビルの階数に換算すると16〜18階程度に相当する。


深い場所への建設となってしまったのは、新規に今ある建築物の下に何かを作る場合は、すでにある地下建造物のさらに下につくらなければいけないからだ。それはいわば宿命でもある。


マンハッタンは、数メートルも掘れば、その下は土ではなく、マンハッタン片岩(Manhattan Schist)と呼ばれる岩盤がどこにでもあり、この1枚の岩盤に「マンハッタンが全部乗っかっている」という。これは極めて硬く、掘削は容易ではない。工事は困難を極めただろうと、想像に余りある。


よって、これまでにかかった建設コストは実に111億ドル〜114億ドル(およそ1兆4,400億円〜1兆4,800億円)とも言われる。連邦資金も投入され、ほぼ国家プロジェクトだ。1950年代以降に建築された最大の鉄道旅客ターミナルであるとのことだが、建設コストも、この手の工事では世界最大、とのことだ。


新ターミナルの広大なコンコース部分にはこれから多くの店舗が開業するであろうが、今、一番目を引くのは、なんと言っても30メートル以上にも及ぶ、草間彌生氏のタイル壁画だ。


もうこの人を知らない人はいないだろう、と思えるくらいニューヨークには草間氏の作品が溢れている。作品展が行われれば、どこでもチケットは完売、最近で言えば、ルイヴィトンとのコラボで街角のショーウィンドウに立つ草間氏のロボットは相当な話題で、行き交う人はみな、足を止める。


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