メトロカードはなくせない?NY地下鉄事情
Japan In-depth / 2023年2月2日 11時0分
▲写真 新改札システム「OMNY」の使い方をの特徴を宣伝するディスプレイ(筆者提供)
世界・国内を問わずどこからでも、仮に日本から観光でNYに来ても、クレジットカードを改札にかざすだけで地下鉄が利用できるというわけだ(スマホに登録できる銀行、カード会社は指定あり)。特別に乗車用のカードを買う必要もない。市バスなどでも同様に使える。
「メトロカード」廃止決定の報は、時代の流れ、と受け取られはしたが、同時に聞かれたのが、消えゆくメトロカードを愛惜する声だった。
曰く「さよなら、メトロカード・・・ノスタルジックな乗客は悲しい(NBCニュース)」「ひとつの時代の終わりは近い。(だがその)時代を象徴するメトロカードを決して忘れることはないだろう(ヤフーニュース・英語版)」「なぜかわからないが哀しくなる・・・(Timeoutマガジン)」。
そしてメトロカード以上に愛されたのがそのカード販売機であった。
「変化を遂げるのは最初では無いがほろ苦い・・・カラフルな機械(販売機)はニューヨークらしさが満点だった」「2023年末には、幼稚園のおもちゃを思わせるような色鮮やかな機械は(かつての)トークンを同じ道をたどることになるだろう(CBSニュース)」
メトロカードシステムは、導入から20年以上経ち、特徴的なデザインのカード販売機は、黄色いメトロカードとともに、地下鉄を象徴するイメージとなり、長く皆に親しまれてきた。
実は、このカード販売機、デザインしたのは日本人である。
▲写真 宇田川氏デザインのメトロカードの販売機。「青」はクレジットカード、「緑」は現金、「黄色」はメトロカード、「赤」はおつり・レシート出口、を表す。この地ではよくある破壊、落書きにも強いNYならではのタフな構造(筆者提供)
工業デザイナーである宇田川信学(うだがわ・まさみち)氏のデザインで、この人は他にも、NYの地下鉄車両、ボストン、ワシントンDCの地下鉄の車両のデザインなども手掛けている。Transit / Antenna Design
この、メトロカード販売機は、1999年に登場し、緑、青、黄色、赤が特徴的なデザイン。
タッチ式パネルのメニューは数カ国語以上に対応しており(日本語で表示できる販売機もある)、初見でもわかりやすい。
販売機導入当時、タッチ式パネルの機械はまだニューヨーカーには馴染みが薄かったが、その明るいデザインと使い勝手の良さもあって、この機械は徐々に市民に浸透した。
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