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メトロカードはなくせない?NY地下鉄事情

Japan In-depth / 2023年2月2日 11時0分

この機械が、当時、アメリカ人が持っていた自動販売機に対する拒否反応の改善に果たした役割は大きいと思う。それまでは、ほとんどの人は窓口で入場用のコイン(=トークン、2003年まで50年間使われてきた)を現金で買っていたわけだから、販売機の登場自体、大変未来的であった。





今回、時期を同じくしてもう一つ、地下鉄で消えゆくものがあった。





メトロカードと同じ黄色のイメージで親しまれてきた、地下鉄の「会話型シート車両」が引退すると言うのである。座席がL字型になっているのが特徴の車両だ。









▲写真 「会話型シート」の車両。デビューから40年以上、いまでも現役(筆者提供)





このL字座席に座って、窓の外の風景を眺めるのが好きだ。





NYの地下鉄は、1本の路線の半分以上が地上部分を走っている路線も多く、この座席に座れると、自分の空間が持てたようで心地が付く。一緒にいる仲間がいれば、互いの顔を見ながら会話も弾む。





私がNYに来た1989年。NYの地下鉄で最初に乗ったのがこの車両であった。





日本から来たばかりの私には外国らしい、斬新なデザインの電車、と映った。





だが、考えてみればこの車両の引退は、もう必然であった。





にわかに信じがたいが、この車両は登場の1975年からずっと、半世紀近く、現在まで使われ続けているのである。同型車両で最新のものでも、製造は34年前である。私がNYに来て感動した車両は、すでにその時、デビューから15年近くも経っていたのだった。





その車体が、今でも現役で、毎日のラッシュアワーの通勤客の重みに耐え、乗客を運び続けているというのだ!





これらの車両の引退が決まったのも、新改札システムの導入同様、車両の世代交代に目処がたったからである。2025年には、新型車両がお目見えする予定である。





新車両は、古くからNYの地下鉄車両を作ってきた川崎重工製の車両で、一部はすでに納入され、実際の運用に向け、現在運行テストが行われている。





MTA Votes to Order Hundreds More Cutting Edge R211 Subway Cars(ちなみに新型車両も、前述の宇田川信学氏のオフィスのデザインによるものだ。ニューヨーク地下鉄、次世代車両「R211形」電車とは? – DenshaDex)





世界にも自慢できるようになった地下鉄の改札システム。





未来型の最新車両。





新たなことへの変化は、大部分から歓迎されよう。





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