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沖縄基地問題の新局面① 「辺野古」から「安全保障」へ

Japan In-depth / 2023年2月15日 18時0分

一方の沖縄保守は、政府の財政支援を引き出す「ツール」として、米軍基地を容認する姿勢に終始し、米軍基地の抑止力としての評価や対中国政策について、踏み込んだ議論を避けてきた。









▲写真 日本周辺における中国の海洋活動の例 出典:防衛省中国情勢 (東シナ海・太平洋・日本海)より引用





■ 中国への懸念と防衛力強化・日米同盟の一体化





中国の国防予算は日本の6倍に達し、しかも大幅な増加傾向にある。中国からの、尖閣や台湾、周辺諸国への軍事的圧力は増している。東アジアでにらみをきかせていた米国が、アフガニスタンとイラクなどでの戦争で体力と気力を消耗し、アジアへの関与の意志が怪しくなってきた。パワーバランスの中国への傾斜を憂慮した日本政府が選んだ道は、自国の防衛力強化と日米の軍事的一体化である。





岸田政権が見切り発車のように、防衛力の飛躍的な増強を打ち出した背景には、ロシアによるウクライナ侵攻があった。中国の台湾侵攻が現実味を増したと思われたからだ。









▲写真 03式中距離地対空誘導弾 出典:陸上自衛隊Google Photoより引用





もっとも、その後ロシア軍が予想外の苦戦に陥り、危機感は薄らぐ。しかも、盤石に見えた中国の習近平体制も、ゼロコロナ政策の失敗、経済低迷などに直面し、台湾統一に乗り出す余裕はなさそうだ。さらに、台湾では、親米派与党の民進党が昨年11月統一地方選で大敗し、2024年の総統選挙で親中派の国民党が優勢とされる。習近平氏が、台湾問題の「解決」を急ぐ理由は見当たらない。





とは言え、習氏が台湾統一を諦めたとも言えず、日米両国には中国の行動を警戒する声は多い。最近、「台湾有事」をめぐって、さまざまなシミュレーションや憶測発言が出回っていた。折しも、監視用と見られる中国の気球が重要な米軍施設の上空を飛行し、米軍機が撃墜した。その後も正体不明の物体が、相次いで米国やカナダ領空内を飛行し、撃墜されている。





米国内の反中国感情が沸騰し、2月7日の一般教書演説で、バイデン大統領は中国への厳しい対応を強調した。米中関係は最悪の状態にある。さすがに、両国はこの状態を放置することもできず、近く外交トップ同士の会談が行われそうだ。





■ 沖縄にとって戦争は最悪の事態





台湾問題などでの中国の高圧的な姿勢を受け、日本国内でも反中感情が高まっている。そのため、日米同盟の一体化や日本の防衛力強化に国民が一定の理解を示す。ただし、沖縄における自衛隊基地機能の高度化や日米合同演習などは、諸刃の剣だ。





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