さようなら「国民雑誌」オワコン列伝 その1
Japan In-depth / 2023年2月17日 11時0分
「対外的には大きな声で言っていなかったけど、一貫して〈国民雑誌〉というコンセプトで作ってましたからね。『週刊朝日』さえ読めば、一週間の世の中の動きが分かる、と」
「ところが今、みんなスマホを持っているから、電車の中で情報が手軽に得られるでしょう。週刊誌なんて、役割を終えたということですよ」
と指摘した。これは「関係者の証言」だが、それでなくとも異論は出ないと思う。
たしかに私たち昭和世代にとって、週刊誌は重要かつ身近な情報源であった。
とりわけインターネットなどなかった当時、海外在住の日本人には、日本語の活字を読む機会そのものが限られているので、日本から送られてくる週刊誌は有り難い存在だった。読み終えた後でも友人知人に進呈すると喜ばれたものだ。
前述のような事情で『週刊朝日』も送られてきたが、ギブ・アンド・テイクで、こちらもロンドンで発行していた週刊日本語新聞を献呈したし、取材に手を貸したこともある。
1989年に秋篠宮の婚約内定が報じられた際など、くだんの友人から、
「宮がオックスフォードに留学していた当時の話とか、取材できませんか」
と頼まれた。たしかに秋篠宮は1988年に学習院大学法学部を卒業した後、オックスフォード大学セント・ジョンズ・カレッジ動植物学科に留学し、同大学博物館の研究員にもなっている。
頼まれれば、当方オックスフォード大学少林寺拳法部のコーチをしていた関係で、人脈がないこともない。早速、現地で長く暮らし、日本人観光客や留学生のアテンドをしていた日本人女性に電話で協力を求めたところ、わざわざ留学生寮まで出向いて、留学中の秋篠宮が、
「僕のガールフレンドだよ」
と言って写真を見せて回っていた、という情報を得てくれたのである。
望外の収穫だったが、画竜点睛を欠いたと言うか、その写真の女性と、婚約者の川島紀子さん(旧姓名)が同一人物だと判断できる根拠はなく「特ダネ賞!」とはならなかった。
もうひとつ週刊誌がらみの思い出があって、1990年に私は『欧州ジャーナル』という新しい日本語メディアを立ち上げたわけだが、その際スポンサーになってくれた旅行会社の社長から、こんなことを言われた。
「我々が喋ってることなんて、みんな『週刊文春』に書いてあるようなことと『週刊新潮』に書いてあるようなことを足して二で割って、それをいかにも自分の意見みたいに喋っているだけなんだからさ。そういう風に書いておけば間違いないんだよ」
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