さようなら「国民雑誌」オワコン列伝 その1
Japan In-depth / 2023年2月17日 11時0分
その「我々」とやらに、まさか林信吾は含まれていないでしょうね、と喉まで出かかったが、まあ「それを言っちゃあオシマイ」なので……という話ではなく、昭和の世にあって、メジャーな週刊誌というものが、どのように作られ、どのように読まれていたか、その一端でも読者にお伝えすることができたなら幸甚である。
今次のことであらためて思ったのだが、半世紀近くの長きにわたって、週刊誌と付き合ってきた。
少年漫画誌を別とすれば、雑誌を自分で買って読むようになったのは高校時代で、よく『週刊プレイボーイ』を読んでいた。
女性アイドルのグラビアが冒頭で、社会問題から若者文化、車の話まで、とにかく「少国民雑誌」みたいな趣があった。実際、これ1冊読んでおけば、クラスの話題について行けない、ということはなかったのである。
そうではあるのだけれど、情報の質・量ともに、早々に物足りなさを感じるようになったこともまた事実で、成人してからはもっぱら専門誌を購読するようになった。具体的には『軍事研究』や『サッカーマガジン』だが、よく思いだしてみると高校時代も、実際にバイクを乗り回す連中は、やはり専門誌を読んでいた。
早い話が「国民雑誌」と言えば聞こえはよいが、要は「広く浅く」情報を伝えるだけのメディアは、早晩見捨てられる運命にあったのではないか。前出の『週刊プレイボーイ』と覇を競っていた『平凡パンチ』も、1988年に休刊している。1990年代には、複数の週刊誌の編集幹部から、
「部数は前世紀の半分ですね」
と聞かされた。
私は今も『週刊文春』は購読を続けているが、今度また生活の拠点を海外に移す時には、電子版に切り替えるつもりでいる。
寝そべって週刊誌をパラパラとめくり、気になった記事から読んで行く、という楽しみは失われるが、やはり時世時節というもの。ここはあえて昭和の流行語に寄せていうなら、
「これでいいのだ」
と思うことにしよう。
(つづく)
トップ写真:週刊朝日相関100周年
出典:週刊朝日公式twitter @wasahisns
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