1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

フジテレビ終了説と韓流ブーム(下) オワコン列伝 その4

Japan In-depth / 2023年2月23日 11時20分

 話を戻して、フジテレビが「ごり押し」と言われるほど韓流に肩入れしたのは、実際に数字が取れていたからに過ぎない。ただ、問題はその理由である。


 世上よく言われていたのは「不況が元凶」であるというもの。広告収入に頼る民放の体力がなくなってきた結果、自前で番組を作るより、韓国から買ってきた方が安い、との判断が働いたのであろう。


 一見もっともらしいが、しかしこれでは、TV朝日や日本テレビが韓流ドラマを放送しなかった理由が分からない。


 しかしながら、経済的な利害が一致していたことまで、否定はできないと思う。


 具体的にどういうことかと言うと、まず総人口が日本の半分にも満たず、したがってエンターテインメントのマーケットがごく小さい韓国の芸能界が、日本市場に注目するのはいたって当然のことである。


 一方、こうしたエンターテインメント業界の「日本志向」に対しては、韓国内でも批判的な目を向ける人たちがいる、ということを知っていただきたい。


 


 幾度か一緒に仕事もした、旧知の韓国人ジャーナリストもその一人で、彼に言わせると、前述の「冬ソナ」ブームが大いなるインパクトとなり、次第に最初から日本人に歓迎されそうな脚本や出演者を準備するようになったという。


 出演者のことで言えば、ペ・ヨンジュンという俳優は、韓国ではそろそろ落ち目になりかかっていたものが、一転、日本で「ヨン様」とまで呼ばれるようになった結果、スターダムに返り咲いたそうだ。


 


 それはそれでよいのだが、韓国人の伝統的な生活文化や価値観に合致しないドラマを大々的に日本に売り込むのは、いかがなものかという声も、当然ながら出てくる。


「日本車を欧米に輸出する際、わざわざ左ハンドルにするというのとは、持つ意味が違うと思います」


 これが、くだんの韓国人ジャーナリストの言葉だが、そう言われると日本人としては反論しにくい。


 


 もうひとつ、バラエティの分野でも、フジテレビはトップランナーだった。


 その手の番組はあまり見ない私だが、月曜夜10時からの『SMAP×SMAP』は結構楽しみにしていたものだ。あのイケメンたちが、自分を汚して笑いを取りに行くという姿勢に、ある種の感銘を受けたし、個人的には吉本のお笑いがあまり好きではないので(例・自分の頭をアルミの灰皿でぽこぽこ叩くだけ、とか)、関西弁を使わないコントが特によかった。


 そうしたわけで、ナインティナインの『めちゃ×2イケてるッ!』やダウンタウンの『ガキの使いやあらへんで』は滅多に見なかったが、たまに面白そうな企画があれば話は別である。とりわけ『めちゃイケ』の学力テストものは面白かった。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください