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フジテレビ終了説と韓流ブーム(下) オワコン列伝 その4

Japan In-depth / 2023年2月23日 11時20分

 フジテレビのバラエティと言えば、忘れてはいけないのが『笑っていいとも』で、またまた個人的な話で恐縮だが、私は昼休みにTVを見るという習慣がない家庭で育ったせいか、ほとんど見ていなかった。ただ、定食屋や町中華に入ると、必ずと言ってよいほどTVでこの番組をやっているので、いきおい幾度かは見ることになったし、まあ面白かった。日本のお昼休みを支配した番組と言って過言ではない。


 ただ、これらの番組は、いずれも20年以上続いていたのだが、2010年代に相次いで終わってしまった。


 理由は単一ではないであろうし、特にSMAPの場合、ジャニーズ事務所の問題も絡んでいるようなので、早計には言われないのだが、総じて放送開始当初は、皆アイドルもしくはお笑いの世界では新進気鋭の存在で、その勢いに視聴者が引きつけられたのだろう。


 ところフジテレビによるプッシュ(別の言い方をすれば、ごり押し)が、彼らを大御所と呼ばれる存在に押し上げて行き、拘束時間に見合うギャラが高騰していった。不況と、これも前回述べた若者のTV離れのせいで、スポンサーの財布のひもが堅くなる一方で、製作費がうなぎ登りでは、たまったものではない。


 ただ、面白い番組を作ろうとすれば、相応の製作費が必要なこともまた事実で、とどのつまりフジテレビは、製作費を削減する必要に迫られ、その結果として人気番組を相次いで打ち切り、視聴者が離れ、ますます経営が苦しくなるという「負のスパイラル」に陥ったのだ。


 報道も然り。


 これまたフジテレビは、他局に先駆けて容姿端麗な女子アナを揃え(この〈女子アナ〉という呼称自体、フジテレビが発祥だとされている)、彼女たちをバラエティにも登場させて、アイドルとのゲーム対決や、歌の上手さ、もしくは下手さを競わせる、ということをした。


 典型的な例が『クイズ・ヘキサゴン』で、引退した島田紳助とともに司会を務めた中村仁美(現在はフリー)だろう。2008年の『紅白歌合戦』に民放の女子アナとして初出演。それも「フジテレビ代表」と大書したTシャツを着て唄い踊るということまでやってのけ、大いに話題となった。


 それもこれも「楽しくなければテレビじゃない」というコンセプトに沿っていればよしとされた。2011年までは。


 前回、2011年に「韓流ごり押し」を巡る騒動が起き、フジテレビの凋落はここから始まった、と見る向きが多いと述べたが、それよりなにより、この年の出来事として忘れてはならないのは3月11日の東日本大震災である。


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