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北朝鮮の核挑発露骨化で緊張高まる朝鮮半島

Japan In-depth / 2023年3月6日 13時0分

北朝鮮の核挑発露骨化で緊張高まる朝鮮半島


朴斗鎮(コリア国際研究所所長)







 


【まとめ】


・米韓への挑発を強めている北朝鮮軍は、冬季訓練で「全面戦」を想定した訓練を展開。


・米韓両空軍は3月3日、韓国上空で合同訓練を実施した。


・米軍は「ゴーストライダー」AC-130Jを韓半島に初めて出撃させ、「斬首作戦」訓練を強化し、その様子を公開した。


 


北朝鮮は、今年に入って核戦争をも辞さないとする露骨な核脅迫を強め、東アジア情勢を緊張させている。その背景には、金正恩体制の深まる苦境と核兵器使用をちらつかせながら、ウクライナ侵攻を続けるロシアの影響がある。


金正恩は、昨年後半ら今年にかけて、ロシアのウクライナ侵攻を分析し、軍部隊の編制を大幅に変更するとともに、ロシア軍兵器の弱点を埋める戦術兵器の補強も行った。


2月6日に開かれた第8期第4回党中央軍事委員会拡大会議で、金正恩総書記は「現情勢に対応して軍の作戦戦闘訓練を拡大強化し、戦争準備態勢をより厳格に完備せよ」と指示し、軍を根本的に改善・強化するための対策を講じたという。


 


1、北朝鮮「全面戦」想定の冬季訓練実施


 金正恩の指示に従い、韓米に対する挑発の度数を強めている北朝鮮軍は、冬季訓練で「全面戦」を想定した訓練を展開した。


韓国デイリーNKの北朝鮮内部情報筋は3月2日、北朝鮮軍総参謀部が、2月27日に全軍に冬季訓連判定講評要項を通達したと伝えてきた。「この講評要項の核心は、全面戦を想定した作戦及び戦闘政治訓連命令体系に対する判定を進めること」であったという。


情報筋によると、総参謀長は、通達を行う中で「最高司令官同志(金正恩)がおられない地球、朝鮮が存在しない地球は永遠になくしてしまうという胆力と覚悟、意思で訓練に参加し、我が国家の終焉をほざく敵対勢力の妄言に、人民軍戦闘武力の威力を見せてやれ」と注文したとのことだ。


北朝鮮総参謀長は、党中央軍事委員会の命令書が不意に発せられれば、東部、西部、中部地区に分かれている陸海空軍及び戦略ミサイル部隊、戦術核運用部隊が、地上、空中、水上、水中で、指定された目標を打撃する時間を測定し、正確に撃滅させることができるかを判断しなければならないと指示したという。


このような訓練を通じて、武器体系の信頼性を検証し、また共同訓練も評価することで、再編成された部隊別武器体系を検証しようとしていると消息筋は伝えてきた。


これは、人民軍部隊改編と武器配置編制後に断行した初めての冬季訓練を通じて、全面戦を想定した共同作戦の威力を最大限に向上させようとする意図と見られる。特に、総参謀部は、新たな戦力に編制した巡航ミサイル、誘導型ロケット砲部隊の発射命令体系と隣接部隊との共同命令指揮体系の点検を強調したという。


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