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タイ5月に総選挙 政権交代が焦点

Japan In-depth / 2023年3月27日 18時0分

タイ5月に総選挙 政権交代が焦点


大塚智彦(フリージャーナリスト)


「大塚智彦の東南アジア万華鏡」





 


【まとめ】


・5月14日にタイで総選挙が実施される。


・総選挙で野党第一党「タイ貢献党」が圧勝、タクシン元首相次女ペートンタン氏が次期首相になる公算高い。


・ペートンタン政権が誕生しても軍が再びクーデターで政権を奪取する可能性残る。


 


 タイのワチラロンコン国王はプラユット首相から提出されていた議会(下院・定数500議席)の4年間の任期満了(3月24日)を前にした解散要請を認め、タイ選挙管理委員会も3月21日に解散を承認したため5月14日に総選挙が実施されることになった。


 下院総選挙は2019年3月以来で2014年に軍によるクーデターで政権を掌握したプラユット首相(陸軍大将)が今後も政権を維持することができるか、それとも野党第一党「タイ貢献党」が安定多数を獲得して政権を奪還し政権交代を実現できるかが最大の焦点となる。


 「タイ貢献党」は次期首相候補としてタクシン・シナワット元首相の次女ぺートンタン・ウン・イング・シナワットさんの擁立を決めており、政権交代が実現すればペートンタンさんが次期首相の座に就く可能性が高く、そうなると首相退任後16年間も海外に滞在しているタクシン元首相も帰国する可能性を示唆しており、タイ政治は大きな転換点を迎えることなりそうだ。


 


★世論調査では政権交代の可能性大


 タイ下院は定数500議席のうち小選挙区が400議席、比例代表が100議席となっている。


 タイの英字紙「バンコク・ポスト」が3月19日に伝えた「タイ国家開発管理研究所(NIDA)」による3月2日から8日にかけて2000人を対象に実施した最新の世論調査結果によると、小選挙区での支持政党は野党第一党の「タイ貢献党」が49.75%、次いで野党第二党の「前進党」が17.40%、プラユット首相が立ち上げた新与党「国家建設タイ合同党(UTN)」の11.75%、与党第三党「民主党」の5.4%などとなっている。


また比例代表では「タイ貢献党」が49.85%、「前進党」が


17.15%、UTNの12.15%と小選挙区、比例代表でも共に野党第一党の「タイ貢献党」が圧倒的な支持率を得ており、同じ野党の「前進党」の支持率と合わせると過半数を超えている。


さらに次期首相候補者の支持率ではペートンタンさんが38.20%、野党「前進党」のピタ・リムジャラーンラット党首が15.75%、次いで現職のプラユット首相の15.65%、適任者なしが9.45%という結果になっており、野党第一党の「タイ貢献党」が擁立しているペートンタンさんがリードしている。


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