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児童手当の問題は所得制限だけではない

Japan In-depth / 2023年4月3日 11時0分

2)自治体からの要求





「夫がギャンブル依存症のため児童手当の受給口座を妻に変更して欲しい」と願い出ると、大抵の場合以下の様に自治体から要求を突きつけられる。





①ギャンブル依存症の証明を提出





②夫の自著による書面の提出





③離婚の意思を示す





これはギャンブル依存症家庭にとって高い高いハードルであり、行政はギャンブル依存症という病気を理解しているのかと我々は疑問でならない。





まず、①②にあるギャンブル依存症の証明や、当事者である夫による書面の提出だが、ギャンブル依存症は「否認の病」と言われ、治療に繋げることが困難である。ギャンブル依存症は脳内の神経伝達物質ドーパミンに機能不全が起るため、ギャンブルでしか快感を得られないような状態になってしまう。





30歳から44歳までギャンブルと買い物依存症で苦しんだ私の場合も、ギャンブルを止めなくてはいけないということは頭では分かっていたが、止め続けていると落ち込みが激しくうつ状態になってしまう。そのうち本当にうつ病を併発してしまったが、ギャンブル依存症者はギャンブルを止めると、気分の落ち込みが激しく、止めたあとの生活がこんなに辛いのかと考え、怖くてなかなか手放すことができない。





自助グループなどに繋がり、仲間に支えられながら止め続けていくうちに、段々と楽になってくるのだが、最初のうちは「これだけは止められない」としがみついてしまう。だからこそ依存症は厄介な病気なのだ。夫が医療に繋がり、診断書が得られ、当事者も口座変更に納得している状況になっているのであれば、行政に助けを求める必要などない。





夫はギャンブルをやるために、少しの金でも執着してくる。病院にも行かなければ、ましてや口座変更の書面にサインなどするわけがないのだ。





そして私たちがもっとも怒りにふるえているのは、③の「離婚の意思がなければ、児童手当を妻の口座に変更できない」といわれることである。





私たちギャンブル依存症者の妻は、夫の回復を信じ自助グループや家族会に繋がってくる。ギャンブル依存症に罹患する前の、優しくて、働き者で気の合う夫に戻って欲しいと願っている。ましてや子どもまでいれば、家族の再生を願うのは当然ではないだろうか。





それを「ギャンブル依存症からの回復」というプロセスを行政は応援するのではなく、離婚前提でなければ児童手当の口座変更は認めない。この対応のどこが「異次元の少子化対策」なのだろうか。きちんと金銭管理のできる妻の口座で受給することになぜこんなにも理解がないのか。現状では児童手当をギャンブルに使わせるか、離婚の2択しかなく、児童手当は子どものために安全な管理者の方に振込をし、ギャンブル依存症の夫の回復を見守ると言う選択肢は許されないのである。以下に現状どのような対応がなされているか記したいと思う。





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