北朝鮮のスパイを増殖させた文政権
Japan In-depth / 2023年4月4日 18時0分
朴斗鎮(コリア国際研究所所長)
【まとめ】
・北朝鮮人権侵害状況をまとめた「北朝鮮人権報告書」が公開された。
・文在寅前政権が金正恩政権の犯罪とスパイ行為を助けるために隠し続けた文書。
・全国民主労働組合総連盟(民主労総)の前現職幹部らのスパイ疑惑は想像を絶する。
韓国統一部は3月30日、脱北者508人の証言を基に、2017年以降の深刻な北朝鮮人権侵害状況をまとめた「北朝鮮人権報告書」を初めて公開した。この報告書は、文在寅前政権が、金正恩政権の犯罪とスパイ行為を助けるために隠し続けた文書だ。
■ 文在寅が隠蔽し続けた金正恩の犯罪
報告書は約450ページに上る。報告書によると、17年には金日成主席の肖像画を指さした妊娠6カ月の女性が公開処刑された。
15年には江原道(カンウォンド)元山(ウォンサン)で、韓国のドラマを見たなどとして16~17歳の6人が15年に銃殺された。
韓国ドラマを見た住民は脊椎を折って殺せという指示もあったそうだ。見せしめにする公開処刑には多くの住民が動員された。
2012年には「祖国反逆罪」など七つの罪で死刑を科すことができたが、22年までに11に増えた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため設定した封鎖区域への出入りも死刑の対象となった。
脱北を試みる住民が後を絶たない中朝国境では「3回警告を受けて止まらなければ射殺」という規定があるという。政治犯収容所などの拘禁施設では拷問と秘密処刑だけでなく生体実験まで行われている。
金正恩総書記が最高指導者になって以降は、体制批判や外国との接触に一層厳しくなった。脱北者の家族に対する監視が強まり、脱北した家族と連絡を取ったことが発覚すると、収容所送りになる例もあった。収容所では拷問や性暴力が横行し、そのまま死亡する例も少なくない。
外国文化の流入を取り締まる「109連合指揮部」という組織の存在も明かされた。中国から流入したUSBなどで韓国映画やドラマを見る住民を取り締まるのが主な任務だ。抜き打ちでの民家の捜索や、携帯電話の捜査が行われている。
この報告書は、2016年施行の北朝鮮人権法に基づき、2018年から年1回作成されていたが、従北左派の文在寅前政権が、隠蔽し続け公開しなかった。
■ 犯罪隠蔽の裏で北朝鮮スパイを増殖させた文在寅
文前政権は、口では「人権」を叫んでいたが、それは国民を欺瞞するものであった。北朝鮮住民を蹂躙する金正恩とその妹金与正について、「思いやりを感じた」「正直で大胆」「北朝鮮指導層にこんな人物がいてよかった」などというへつらいの言葉を使い、金正恩の国際刑事裁判所への起訴を要求してきた全世界の人権団体を驚かせた。
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