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本当に「AIが仕事を奪う」のか(上)ポスト・コロナの「働き方」について その3

Japan In-depth / 2023年4月21日 19時0分

実は私の後輩に、高校卒業後デザイン専門学校を経て、アニメーターになった者がいる。





今は別の仕事に就いているが、当人を含めて、結婚を考える年齢になると転職も同時に考えざるを得ない現実があると聞かされた。具体的には、「20歳で就職して、勤続20年の40歳でも、年収200万円台ですよ。これで、結婚してマイホームを手に入れるという人生設計ができますか」だそうである。





それでいて拘束時間が長い。時給に換算したらコンビニのバイト以下、とも聞いた。





アニメーションの場合、通常1秒間に24枚前後の絵を次々に映し出すことにより、あたかも登場人物が動いているように見せるわけで、当然ながら膨大な数の絵(セル画と呼ばれる)を描かねばならない。





と言って、製作費も十分でないことがままあるので、その結果、空手が強いおバカさんを主人公にしたアニメなど、跳び蹴りの姿勢のまま宙に浮いて、命中するまで同じ映像、ということになったりするのだとか。製作に関与した人間が言うのだから、本当なのだろう。





この結果、昭和も終わろうとする頃から、日本のアニメも作画を中国や韓国に発注するようになった。エンドロールの「作画」に出てくる名前を見れば、一目瞭然だ。





一方では、画像作成ソフトを駆使したコンピューター・グラフィックス(CG)を採り入れる製作会社も増えてきている。





これまでは膨大な数の絵を「人海戦術」で描き上げなければならないため、どうしても一人あたりの人件費を抑えざるを得なかったのだが、今後は「少数精鋭」で画像作成ソフトを駆使し、より精緻なアニメーションを製作することも可能になるだろう。





要は、いくらソフトの性能が上がろうとも、ツールであることに変わりはなく、そもそも入力する人間なくして創作などできないのだ。





AIが人間に変わって色々な仕事をこなすようになる、と言っても、それは物事の一面に過ぎない。CGのスキルがない人にアニメーターは務まらない、という時代は、まず間違いなく来るであろうが、それはこの業界に限られたことではない。





突飛なことを言い出すようだが、軍事の分野でも同様である。





昨年来の、ロシアによるウクライナ侵攻について調べれば調べるほど、その考えが確信と言えるまでになった。





前にもこの連載で取り上げたが、この戦いでは、攻撃型もしくは自爆型のドローンが大きな役割を果たしたし、ロシアなど、T-14という最新型の戦車を、いずれ無人操縦式にするという構想まで明らかにしていた。





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