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グローバル経済の新局面―新しいゲームのルール―

Japan In-depth / 2023年5月1日 11時0分

新しいビジネスの面でも、デジタルとグリーンというキーワードを聞かない日はない。





人工知能(AI)の驚異的なスピードでの進化と、それと結び付いたより繊細に作動する機械群が、企業競争の景色を一変させる可能性もみえている。これまでと同じことをしていたのでは駄目だということは、経営上、大変なことだ。しかし、大きなチャンスでもある。





インターネットとスマートフォンに象徴される技術革新の波に今一つ乗り切れなかった日本経済であるだけに、この局面変化はむしろ歓迎すべきなのかもしれない。さらに、先進国の中で一番速く高齢化が進展してきたことが、これからの産業構造の変化に、これまでと反対にプラスに作用するかもしれない。AIとロボティクスによる人手不足の解消は、日本経済のとって待ったなしの課題だからだ。





■新しい局面での成長と物価の目線





そのような新局面において、地球環境の制約がさらに強まる。新しい定常状態では、日本経済が安定的に実現できる成長率と、その下でのインフレ率の関係は、1990年代以降のグローバル化の局面とは違ってくるだろう。





長い目でみれば、インフレは貨幣的な現象だと言われる。理屈上は、マクロ経済が完全雇用となった後のインフレ率はそうなる。したがって、上手に過渡期を乗り切れば、長い目でみたインフレ率は2%になるかもしれない。因みに、デフレは必ずしも純粋に貨幣的な現象とは言えない。不完全雇用の状態でのデフレは、金融的な要因だけでもたらされる訳ではない。





それはさて置き、これからの日本経済が見極めなくてはならないのは、働くことができる人の数がさらに減っていく中で、経済全体としてどれくらい成長する実力があるかということだ。それが分からないまま、感覚論でもっと高い成長率を求めたりすると、2010年代の繰り返しで、金融・財政政策に過大な負担を負わせることになる。





金融・財政政策についても、グローバル経済のゲームのルールが新しくなったことをはっきり認識した上で、これからの最適な政策はどういうものか、今一度良く考えるべきところに来ている。グローバル経済の新しい環境にフィットした産業構造の実現には、どうしても一定の時間がかかる。短期決戦にはならない。そして、その新しい環境の下で、「マクロ経済の実質2%程度の成長を実現するため、消費者物価で2%のインフレが必要」というストーリーが成立する保証もないのである。





トップ写真:イメージ 出典:Galeanu Mihai/Getty imeges




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