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祝日と休日 正しい(?)休暇の過ごし方 その2

Japan In-depth / 2023年5月6日 11時0分

それで思い出したが、中国においても、最大の年中行事と言えば春節で、これは旧正月のこと。韓国でも旧正月こそが正式な正月だと認識されていると聞く。





わが国では、旧正月は今や廃たれたも同然だが、お盆休みというのは一般に8月の旧盆のことである。東京では一般に新盆であるし、私には帰省する田舎がないので、この時期も、帰省ラッシュやUターン・ラッシュはあまり関わりがない。





18世紀以降の産業革命の結果、世界の多くの国々で、生活習慣が大きく変わることになったが、もちろん日本も例外ではない。いや、むしろ最も変化の振り幅が大きかった国であると言ってよいだろう。





それでもなお、長年の習慣というものは、やはりどこかで生き残るもので、内戦や革命も、所詮は「時世時節」に過ぎないのかも知れない。





イスラム圏はどうなのかというと、こちらもまた面白い。





イスラム暦は1年が354~355日と、太陽暦(グレゴリオ暦)の1年より10日ほど短いため、たとえばラマダーン(断食)の時期も、毎年少しずつ(太陽暦に当てはめると)ずれて行くこととなる。





ロンドンにもイスラム教徒は相当数いるが、所詮は無責任な異教徒の言うことながら、夏がラマダーンだとさぞ往生するだろうな、と思う。





日の出から日没まで飲食を禁じられるわけだが、幾度も述べる通り緯度が高いので、夏は夜8時頃まで明るかったりする。





7月のモスクワを訪れたことがあるが、現地時間の夜10時に、ホテルの窓から夕焼けが見えた。世界は広い、とつくづく感じ入ったが、これは余談。





この、ラマダーンというのは、ムスリムに課せられた「五行」のひとつで、他に信仰告白、礼拝、喜捨、そしてメッカ巡礼がある。





1ヶ月にわたって断食を続けるのが、すなわちラマダーンだが、前述のようにイスラム暦は太陽暦よりもやや短く、1ヶ月は29日間だ。





そして、その29日目の日没を迎え、新月が確認されたなら、イード・アツファトルと呼ばれる「ラマダーン明け」の祝祭が始まる。これが、イスラム圏における最大の年中行事で、公式には一昼夜とされているが、三日三晩にわたって祝宴が続くことも珍しくないそうだ。





これは言わば、わが国における正月と同様、古来の宗教行事に基づいた祝日が変化したものだが、他に、政治的な経緯で定められた祝日もある。





たとえば、中東諸国の多くが、大英帝国の植民地もしくは保護領から独立したという歴史があることから、それらの国々では独立記念日が祝日となっている。





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