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観光と買い物と外国語 正しい(?)休暇の過ごし方 その3

Japan In-depth / 2023年5月9日 11時0分

観光と買い物と外国語 正しい(?)休暇の過ごし方 その3




林信吾(作家・ジャーナリスト)





林信吾の「西方見聞録」





【まとめ】





・どこでも英語が通じるため、英語が母国語の国民は外国語の習得にあまり熱心でない。





・日本人は英語を話せないことにコンプレックスを抱いている人が多い。





・外国語が下手だからと言って恥じることはなく、挨拶やお礼の言葉が分かれば十分。





 





こんなジョークがある。





「2カ国語を話せるのはバイリンガル。3カ国語できるのはトリリンガル。では、1カ国語しか話せないのは?」





正解は「アメリカン」なのだとか。





あながち笑い事ではない。正解は「アングロサクソン」でもよいのだが、要するに英語国民は、どこの国へ行っても、ある程度は英語が通じることから、外国語の習得にあまり熱心でない人が多いことは否めないと思う。





数年前、たまたまJR両国駅の近くを歩いていたら、いきなりガイジンから





「あの緑の屋根、なあに?」





みたいにフレンドリーに話しかけられたことがある。Speak English?と前置きの質問もせずに。ちなみにネイティブの場合、Do you……?で質問を始めることは、あまりない。





「あれはKOKUGIKAN(国技館)。ナショナル・スモウ・スタジアムだよ」





と英語で答えたところ、見学できるのか、と質問を重ねてくる。





「たしか相撲博物館というのがあったけど、もう5時過ぎだから、開いてるかどうか分からないな。行くだけ行ってみれば?」





こう教えてやったところ、急にGood English!などと言われた。ほめられたので、普通にサンキューと答えておいたが、どう考えても逆だろう。礼を言うべきは相手のはず。





どうやら彼らの世界観では、英語を上手に話せる人間はそうでない人間より上等なのだという、価値観と言うより信念に近いものがあるのではないか、と思えた。





もちろん、一人の観光客の言動だけを切り取って、アメリカ人はこうだ、英語圏の人間はこうだと決めつけるのはよろしくないが、私の方も、この時の経験が全てではないので。





公平を期すために付け加えておくなら、中産階級出身の英国人ビオジネスマンの場合、数カ国語を流暢に操るという人も、まま見受けられる。





英語圏の人間の話はさておき、日本人の場合、海外旅行に出向く際など特にそうだが、英語がちゃんと話せないことに、過剰なまでのコンプレックスを抱く人が少なくないようだ。





自動翻訳機、などという得体の知れない電気製品のCMが盛んに流れていたのは、さほど昔の話ではないし、昭和の時代までさかのぼると、もっとひどい例もあった。





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