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SHEIN旋風 仏で議論

Japan In-depth / 2023年5月10日 23時0分

しかしながら、連日のそのようなネガティブなニュースが流れていたのにもかかわらず、SHEINのパリのポップアップストアの開幕日には店の前に長蛇の列が並んだ。それもそのはずである。SHEINで買い物する層は興味ないニュースばかりを流すオールドメディアなど見ることもない10代の若者、いわゆるZ世代がほとんどだからでもある。





■ 実店舗持たずSNSで人気を獲得し世界を圧倒





Z世代に絶大な人気を誇るプチプライスを中心としたオンライン通販ブランドSHEINは、この10年で世界的なファッションブランドに成長した。現在、100カ国以上で製品を販売しており、特にアメリカとヨーロッパで人気が高い。中国人である起業家のChris Xu氏によって設立され、100%中国で製品を作っているのにもかかわらず、中国内で製品は流通しておらず、本社も中国にはないという企業だ。これは、中国での流通価格で海外に売ることで世界に圧倒的な安さの商品を提供するが、中国で流通している製品という印象を与えないようにするためだと言われている。それでも、フランスでははっきりと「中国企業」と紹介しているが、ほとんどはアメリカでの売り上げが占めており、2014年にSHEINと名前を改めてアメリカで販売されたことが影響しているのか、日本では「アメリカ企業」として紹介している記事もある。





SHEINは、アメリカでも2020年ごろから急激な人気を博して一気にECサイトの上位にランクインしはじめた。2020年秋には、大手ECサイトのAmazonに次いで第2位にまで急上昇。フランスでも2015年から知られるようになっていたが、コロナで人々がネットで買い物をすることが多くなってから、爆発的に人気が伸びた形だ。





SHEINの人気の秘密は、ソーシャルネットワーク、特にTikTokのパワーを利用してマーケティングしていることと、デザインがおしゃれなのに圧倒的に値段が安いことだ。毎日、最先端の製品を紹介しているインフルエンサーが積極的にSHEINの洋服を宣伝し、フランスの町には売っていないようなおしゃれなデザインを、しかも低価格で買えるとあれば若者が熱狂するのも当然のことだろう。





それまでのフランスと言えば、「こんなものがほしい!」と思っても近所に売っているお店があるのは稀で、「ならば大きな町に行こう!」と思っても交通機関がそこまで整っていないので車をもっていない若者が容易に行ける場所ではなかった。そんな中、フランス企業の実店舗重視のカマイユが売り上げを伸ばした。カマイユは1984年創業。かつて繊維業で栄えたフランス北部の町、ルーベに拠点を置いており、婦人服に特化した品ぞろえを提供。そしてフランス全土に650店展開し、2600人ほどの従業員を抱え、どこかの大型スーパーに行けば、必ずカマイユがあるような状態で自然にフランス人たちはカマイユで洋服を買っていたのである。





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