どうなるグローバル経済―どう転ぶか分からないナイフの刃の上―
Japan In-depth / 2023年5月12日 11時27分
こうなってくると、全く他力本願だが、米国経済には是非がんばってほしいところだ。特に、債務上限の問題は、政治対立が本質だけに、そのような非経済要因で経済が不安定化し、それを契機にナイフ・エッジにある米国経済が景気後退へと転ぶようなことがあるとすれば、本当に悲劇だ。
そういう状況において日本経済側でできることがあるとすれば、まず金融政策面では、YCCの建付け変更の本当の意味を経済全体として正しく理解することだろう。現在のイールド・カーブは、かつてのような低インフレ経済が戻ってこないという将来の見通しの変化を反映したものであり、長期金利を金融政策で厳密に誘導することができない以上、それは受け入れざるを得ないのではないだろうか。
また、財政政策面では、何らかの長期的な帳尻の話がない一方的・一時的な歳出拡大は、そろそろ政策効果が薄まり始めているように思えてならない。少なくとも、コロナ禍への対応として、金額だけ積んだようなところのある補正予算、特に予備費の扱いなどを明確にした上で、確かに長期的に国内の経済活動を活性化させると多くが納得できる歳出を考えてほしいものだ。
それにつけても今日の状況からは、グローバル経済に対する米国経済のモーメントの大きさに改めて気付かされる。
トップ写真:衆議院の公聴会で演説する日本銀行(日銀)総裁候補の植田和男氏(東京 2023年2月24日)
出典:Tomohiro Ohsumi / Getty Images
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