1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

10万円のリゾートマンション 正しい(?)休暇の過ごし方 その6

Japan In-depth / 2023年5月20日 18時0分

私は当時、英国ロンドンにいて、日本からの(ネット時代ではなかったので、主に週刊誌とかの)報道による、要するに伝聞であったのだが、なぜか腹立たしく思えたものである。そんな軽薄な女ども、いっそ雪崩に埋まって(白いウエアなので)、当分見つからなくなってしまえ、などと暴言を吐いたほどだ。若気の至りとは言え、反省しております。





与太話はさておき、こうしたブームを背景に、駅からスキー場までの道筋にリゾートマンションが相次いで建設されることとなったのだが、ご案内の通り、程なくバブルは崩壊。多くの物件が竣工と同時に値崩れを起こすという事態となってしまった。





念のため述べておくと、このような現象は、決して日本特有のものではない。





2010年に、スペイン南岸のアリカンテという街を訪れたことがある。





地中海に面した静かなリゾート地だが、駅からバスで海岸に向かう途中、鉄骨だけのビルをいくつか見かけた。1時間に満たない移動距離の中で複数目に入ったというのは、密度としては、ヨーロッパの尺度では結構なものだ。





いずれもリゾートマンションとして売り出されるはずが、2008年に起きた恐慌=世に言うリーマン・ショックのせいで工事中止の沙汰となったのだとか。現地の事情に詳しい人から、そう聞かされた。





ただ、越後湯沢の話は、問題の質が少し違うような気もする。





もともと、ロンドンなどでビジネスマンとしてある程度の成功を収め、小金を持った英国人は、スペインのリゾート地に別荘を買うことが多い。20世紀の終わり頃から、格差の問題が指摘されながらも、世界的に景気が拡大局面にあったことから、グローバル経済の中で自分は「勝ち組」だと自負するようになった英国人ビジネスマンの間で、





「私をスペインに住まわせて」





とでも言ったブームが起きたが、ブームはいつか必ず去るものなのだ。





ただ、彼らはあくまで「自家用」のリゾート物件を求めていたのに対し、越後湯沢のリゾートマンションに、バブルでつかんだ金をつぎ込んだ人たちは、どこまで行っても将来の値上がりを見込んでのことだったのではなかったか。





しかも、最近では世に言うインバウンド、とりわけ雪景色が新奇であるを東南アジア諸国からの観光客が増え、スキー場の集客力が回復しつつあることから、かつて「負動産」とまで言われたリゾートマンションにも、今が底値だ、ということで、再びスポットが当てられているのだとか。





早い話が、日本にはまだまだ、リゾート文化と言ったものが定着していないのである。





この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください