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10万円のリゾートマンション 正しい(?)休暇の過ごし方 その6

Japan In-depth / 2023年5月20日 18時0分

それなら、英国人は皆リゾートを楽しむのかと問われると、イエスと即答はしかねる。





どういうことかと言うと、私は著作の中で繰り返し指摘してきたのだが、かの国は昔も今も凝然たる階級社会なので、休暇の過ごし方ひとつとっても、リゾート地でのんびり過ごすのは中産階級、これに対して往復の航空券やホテル・食事からエンターテインメントまで料金に含まれた「パック・ツアー」を好むのは労働者階級、ということになっているのだ。





もちろんこれはステレオタイプで、実際には例外も多い。中産階級はクリケットやラグビーを好み、労働者階級はもっぱらサッカーに熱中するというのと、似たり寄ったりの話だと思えばよい。





そうではあるのだけれど、とかく階級を異にする人間をバカにする、中産階級の英国人に言わせると、彼ら(労働者階級)は仕事に精を出さないから、逆に休暇となると目一杯遊び回る、ということになるようだ。





まともなサラリーマン経験を持たない私がこのようなことを言い出すと、偏見だと責められかねないが、少なくともコロナ禍以前の日本人の「働き方」については、無闇と残業が多い割には生産性が低い、との批判が絶えなかったことも、また事実だろう。





さらに言えば。これはまったくの私見であることを明記しておくが、連休が終わった途端に、学業や仕事を続ける意欲が減退してしまう「五月病」が、いつまでもなくならないのは、温泉リゾートなどで日頃の疲れを取り去る、という休暇の過ごし方が、なかなかできないからではないだろうか。





シリーズの冒頭で、私は連休中に観光地を訪れたりしない、と述べたのも、ほぼ同じ理由である。道路は渋滞、空港も鉄道駅も満員、どこへ出かけても人混みというのでは、休暇が休暇にならない。





「働き方改革」もよいけれど、もっとよいのは





「よく働き、しっかり休む」





という生活サイクルを確立することだろう。オンとオフの切り替え、と言えばよいか。





そしてこれは、政治や企業の問題ではなく、働く者一人一人が自分で考え、実践して行くべきことなのだ。





トップ写真:スキーを楽しめるカップル 出典:Jeremy Woodhouse/Getty images




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