日本の存在感を確かなものに~NYのジャパンパレード
Japan In-depth / 2023年5月21日 19時0分
柏原雅弘(ニューヨーク在住フリービデオグラファー)
【まとめ】
・5月初旬、日本国外ではおそらく、最大規模の「日本のパレード」がニューヨークで行われた。
・このパレードは、江戸時代にアメリカを訪問する使節団の礼儀正しさを賞賛するパレードに由来。
・江戸時代から数えて「3回目」のニューヨークでのジャパンパレードだ。
5月初旬、日本国外ではおそらく、最大規模の「日本のパレード」がニューヨークで行われた。
日本関連を中心とした98の団体と、2,500人あまりが参加したパレードで、セントラルパークの西側10数ブロックをおよそ3時間かけて行進。天候に恵まれたこともあり、沿道には5万人が詰めかけ(NY市警発表による)、たいへんな盛り上がりを見せた。
パレードには、柔道、剣道、殺陣などのパフォーマンスや、伝統的な踊り、お神輿などの練り歩きなども披露された他に、アニメやなどのキャラクターも参加し、沿道は大いに盛り上がった。
このパレード、今年は2回めの開催で、第一回は昨年2022年。
パレードの実施はもともと2020年に計画されていたが、コロナ禍で実現が遅れていた。
実現までには、2007年から毎年夏前にセントラルパークで催されてきた「Japan Day」と呼ばれる大規模な祭りが前身にあり、関係者の並々ならぬ努力で、ニューヨーク市を巻き込んだパレードへと発展した。
コロナ禍で遅れ、仕切り直しであっても、2年連続で実施されたことは、在住日本人としては、本当に嬉しい。結果、昨年2022年は日本に野球が伝来して150周年、など、さまざまな記念すべきタイミングとなった。
ニューヨークはご存知の通り「人種のるつぼ」と言われ、全米でも、また、世界でも珍しい「濃厚な」多民族都市である。
例えば、市内の私が住むクイーンズという地域には、120カ国以上の国々の人々がそれぞれの地域に住んでおり、全人口の47%以上が外国生まれで、人種、国籍の多様性は世界でも類を見ない(参考資料1)。人々が話す言葉は、方言も含めると800言語に及ぶ(参考資料2)。
ニューヨークのパレードは、1762年3月17日のセントパトリックデーに、アイルランド移民によって行われた「パレード」がパレードの起源であるとされる(研究者によって諸説あり)。
黎明期のパレードは、現在のように行進する形式でなく、人々がただ、集まる形であったらしい。(参考資料3)
「最初のパレード」が行われた時代、アメリカはまだ独立宣言(1776年)前。アイルランド移民は、アメリカへの移民の中でも「超マイノリティー」であり、存在感はかなり希薄であった。
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