駐日ウクライナ大使、戦争終結後の復興で日本に期待
Japan In-depth / 2023年5月26日 15時0分
本田路晴(フリーランス・ジャーナリスト)
【まとめ】
・コルスンスキー駐日ウクライナ大使は、ロシアとの戦争後のウクライナ復興に対する日本の支援に期待。
・アジアで求められる日本の役割は「ソフト・スーパーパワーを目指すこと」。
・ウクライナ復興を成功させるには「指導者と国民が団結する」ことが不可欠。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の参加で世界中の注目を集めることになった広島のG7サミット(先進7カ国首脳会議)。恒例の首脳たちの記念撮影をテレビでチラ見する程度の関心しかなかったサミットに対し、これまで関心を持たなかった私も、20日にゼレンスキー大統領が広島空港に到着してからは、翌日21日夜に帰途につくまでの一挙一動を真剣に見入った。
興奮冷めやらぬ広島から戻ったセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使を港区の在日ウクライナ大使館に25日訪ね、広島サミットの様子やウクライナ支援で今後日本に求める役割などを聞いた。
今回のゼレンスキー大統領の対面によるサミット参加は大使自身、寝耳に水だったようで、「警備の問題などもあり当初はあくまでオンラインでの参加予定だった。大統領の(広島)訪問は数日前に知らされた」という。
大使はG7(日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ)プラスEU(欧州連合)とゼレンスキー大統領の対面による会談が実現したことを評価した上で、インドなどの招待国を交えての会議にも触れ「これまであまり接点のなかったインドネシアと韓国の大統領、インドのモディ首相と会えたことは大きな成果だ。彼ら指導者の中にはロシアのプロパガンダに影響され、ウクライナについての正しい知識がない人もいた。だから大統領による対面の会談は重要だった。すぐに理解は得られないかもしれない。でも、まずは対話を始めることが大事だった」と一連の会談を振り返った。
大使は語気を強め、「ロシアはウクライナが戦争をしたがっているように(南半球を中心とした新興・途上国からなる)グローバルサウスの国々に話し、ウクライナを貶めている。ウクライナは平和を求めている。また、領土の妥協で平和は達成できないということも知ってもらいたい」とこれらの国々に働きかけるロシアを非難した。
ロシアによるウクライナ侵攻から丸一年を迎えるのに合わせ今年2月23日、国連の緊急特別会合でロシア軍の即撤退と戦闘停止などを求める決議案が採択された。
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