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受信料ならBBCに払いたい  住みにくくなる日本 その3

Japan In-depth / 2023年6月21日 11時0分

冒頭で触れられているが、2000年代初頭に『週刊文春』だけがこの問題を取り上げ、ジャニーズ事務所側から訴えられたが、2003年に東京高裁が「(創業者による)セクハラ行為は事実」と認定。翌04年には最高裁でジャニーズ事務所側の敗訴が確定した。


林真理子さんが、くだんの『週刊文春』に連載しているエッセイの中で述べておられたが、綺麗な男の子を持つ親に対して


「将来、ジャニーズに入れるんじゃない?」


と言うと、大抵の親は相好を崩すのだが、4人に1人くらいの割合で、


「絶対にそんなことしない。ジャニーさんになにかされるから」


という反応を示す親がいたそうだ。それくらい広く知れ渡っていたのである(6月1日号『夜更けのなわとび』より抜粋)。


たしかに暴露本も出版されていたし、広く知られた事実ではあったのだろう。私自身は、寡聞を恥じるばかりだが、基本的に男性同士のややこしい問題にはあまり関心がないので、暴露本も読んでいないし、前述の裁判についても通り一遍の知識しかなかった。


もちろん、日本のマスメディア、とりわけTV局が「見て見ぬ振り」を続けていたのは、そういう理由ではなく、ジャニーズ事務所の所属タレントに出演拒否されたら、数字(視聴率)が取れる番組を作れなくなる、ということだ。これもBBCは正しく指摘している。


この番組が配信された直後から、各方面の動きがあわただしくなり、ジャニーズ事務所側は謝罪会見を開いたし、日本記者クラブでは連続シンポジウムが開催されるなどした。


まあ、当事者がすでに他界しているので、できることは限られると言われればそれまでかも知れないが、一種の「外圧」を受けるまで動けないとは、まったく情けない。


さらに言うなら、最後までこの問題に及び腰になるのは、おそらくNHKだと予測できる。読者ご賢察の通り、看板コンテンツである大河ドラマの主演に、ジャニーズのタレントが起用されているから、というのがその根拠だ。


これもよく知られる通り、NHKは公共放送のタテマエからCMを流さず、番組内で商品名が出ることさえ好まない。


数年前『香水』という歌がヒットして、紅白歌合戦に出場が決まったが、歌詞の中にドルチェ&ガッバーナという香水の銘柄が含まれていることから、放送してよいのか、などと議論になった。昭和の記憶をたどれば、山口百恵が「真っ赤なポルシェ」と唄うべきところを「真っ赤な車」に変えられてしまったとか、松本伊代が「伊代はまだ16だから」と唄うはずが、自己宣伝であるという理由で「私まだ……」と唄う羽目になったとか、バカバカしい話ばかりではあるが、枚挙にいとまがない。


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