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受信料ならBBCに払いたい  住みにくくなる日本 その3

Japan In-depth / 2023年6月21日 11時0分

それでもなんでも、ジャニーズ事務所に対しては及び腰ということでは、それこそ公共放送の威信に関わるのはないだろうか。もちろんタレントに罪はないにせよ、そのタレントの中から被害者が出ているわけだから、性暴力に「忖度」など無用であると、どうして明確に示すことができないのか。


そのBBCだが、NHKと同様、受信料でもって運営されている。より正確にはTVライセンス料と記されることが多いのだが、NHKの受信料と同様の性質を持つものなので、本稿では受信料で統一させていただく。


世帯単位でBBCとライセンス契約を結び、年額159ポンドの料金を納める。支払わないと契約不履行のかどで刑事罰を受ける可能性があるというのも、日本と同様だ。


その金額は政府との話し合いで決められ、現在は年額159ポンド。邦貨にして3万円弱。


NHKの場合、BSなども見られる契約でクレジットカードなどによる年額一括払いだと2万4180円。このところの円安傾向(現在1ポンドは180円を超えている)を加味して考えたならば、金額もほとんど変わらない。ちなみに所得の低い高齢者世帯などは免除してもらえる。


私など、ロンドンで10年ほど暮らし、TVも持っていたのだが、BBCの受信料は払った記憶がない。おそらく同じ公共放送と言っても、フラット(集合住宅)を一軒ずつ訪ねてライセンス契約を迫ったり、料金を取り立てるということをしていないのではないだろうか。


ただ、最近英国では、この受信料制度を見直そう、という動きも見られる。


もともとスナク新内閣で文化スポーツ・メディア担当大臣に就任したミシェル・ドネラン女史は、この受信料について「不公平な税金だ」との意見を開陳したことがある人物だ。


再度「ちなみに」だが、そもそもこうした受信料制度自体、世界的には珍しいもので、ドイツやスイスの公共放送は税金で維持されており、フランスでは消費税を原資とする特別予算が充当されている。米国の公共放送は、非営利のタテマエで連邦政府や各州の政府から補助金を得ているため、視聴者に対して受信料負担は求めていない。


そうした問題以上に、視聴形態の多様化にともなって、受信料制度が時代遅れになりつつある、と言われている。


もう少し具体的に述べると、受信料で運営されているのは国内放送のみで、BBC NEWS JAPANを含めた海外向けコンテンツは、広告収入を得ている。さらに言えば、今ではTVやラジオより、情報も娯楽も全てインターネットから、という人も少なくない。


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