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金正恩、「火星18型」発射で鬱憤晴らし

Japan In-depth / 2023年7月13日 18時0分

金正恩、「火星18型」発射で鬱憤晴らし


朴斗鎮(コリア国際研究所所長)





【まとめ】


・北朝鮮で5月31日の軍事偵察衛星発射失敗後、異常兆候が頻発。


・軍事衛星の機能が玩具に等しかった事が判明し、金正恩ショック。


・窮地の金正恩、7月の「戦勝節70周年」に向け過激な挑発に出る可能性あり。


 


 北朝鮮では、5月31日の軍事偵察衛星発射失敗後、異常兆候が頻発している。それは6月16日に開かれた、朝鮮労働党中央委員会第8期第8回総会拡大会議での、金正恩総書記の姿と会議進行で集中的に現れた。金正恩執権以降に開催された15回の党総会で、演説や発言内容が国営メディアで全く言及されなかったのは、党大会直後の党総会を除いて初めてだった。


内部からの情報によれば、金正恩は、席に座ったまま怒りをぶちまけたという。2日目、3日目の会議には参加しなかったらしい。朝鮮中央通信で報道された党総会報告も、誰が行ったかもわからない状況である。7月9日の金日成主席29周忌に、金正恩は、錦繍山太陽宮殿の参拝を行ったというが、写真は公開されなかった。


 


■衛星の軍事性能「全くなし」で金正恩ショック


金正恩が激怒したのは、自身が赴いて2度も確認を行った軍事衛星の発射が、失敗したことにもあるが、それよりも金正恩がショックを受けたのは、衛星とそのロケットが韓国軍にまるごと引き上げられ、軍事衛星としての機能が、玩具に等しかったことが明らかになったことである。すなわち、担当部署からの虚偽報告で金正恩が裸の王様状態にされていたことが判明したからだ。


韓国軍は7月5日、西海(黄海)に落下した「軍事偵察衛星」について、運搬ロケット「千里馬1型」と衛星「万里鏡1号」の残骸の引き上げ作業を終了したと発表した。打ち上げの瞬間から追跡して落下海域を割り出し、残骸物を多数引き揚げたという。回収した衛星を韓米両国の専門家が詳細に分析した結果、偵察衛星として軍事利用に値する性能は全くなかったとの結論を下した。


韓国軍は、「千里馬1型ロケット」や「万里鏡1号」衛星」の諸元及び写真を公開していない。それは、軍事偵察衛星打ち上げが、金正恩の最も重視する国家の威信を懸けた事業であったことから、金正恩が様々な反発と挑発を行う可能性があることが予想されることや、分析の手の内を隠す狙いがあったためと推察される。


韓国の聯合ニュースは、回収した中には光学カメラや周辺機器が含まれていたと報じた。こうした機器を分析すれば、カメラの技術水準がどの程度であったかは十分に把握できる。


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