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「マイナンバーカード・トラブル」③~医療DX有用論の行方

Japan In-depth / 2023年7月21日 12時14分

マイナトラブルのバッシングのさ中に、あえての医療DX有用論でさえ憚られるが、本投稿で検証してみたい。





■健康保険証廃止延長論





マイナトラブルの現状から見てみたい。





岸田首相は「(健康保険証の)全面廃止は国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提だ」と述べた。





廃止後、1年間は現在の保険証との併用が可能で、資格確認書も暫定的に発行される。マイナカード関連法案の改正でマイナ保険証の来年秋廃止について、表立っての延期論表明は難しい。従来通りの方針は変えないが、岸田首相の発言や、その後の政府・内閣の見解や対応を見ていると、「延期も」とも読める。





すでに別人の情報を登録するミスが7400件にも上り、保険者の移転手続きのタイムラグで、窓口で3割負担が10割負担を求められたなどのミスはすでに書いたので繰り返さない。現場の医療機関でも、全国保険医団体連合会はカードの強制反対・現在の保険証廃止の撤回を表明、日本医師会も保険証有効期間の延長に言及した。





■マイナ保険証受診者の半数以上が「利点なし」





メディアなど多くの世論調査で7~8割の人がネガティブな反応を示し、それが返納者へとつながり、悪循環を生んでいる。





厚生労働省が厚生大臣の諮問機関「中央社会保険医療協議会」に報告した調査結果では、マイナ保険証を使った受診者の反応は「問診表の手続きが簡素になった」「複数の医療機関で処方される医薬品の重複や飲み合わせの問題が分かった」などの肯定派は少数で、半数以上の56.6%が「メリットは特にない」と利点なしの答えをしている。





私も実際に複数の医療機関で何度か試してみた。紙の健康保険証を提示する代わりに、マイナ保険証と一体化されたカードをカードリーダーに差し込めば、顔写真の認証か、暗証番号4桁かを選択すれば、資格確認が出来る。カードの差し込む方向や角度が変わるとエラーが出る。暗証番号もプッシュして、きちんとタッチパネルに反映されているかを確認しながら押さないと、やはりエラーの反応がある。そのうち慣れるだろう。





ただ窓口で紙の保険証を差し出すのと、診療のたびにカードを差し込むのと、どれほどの手間の違いがあるだろう。問診表も待ち時間に書けばいい。薬の飲みあわせも、紙のお薬手帳がある。





■ 医療DX加速化への期待と現状との距離感





マイナポータルにアクセスすると、自治体からの勧めで受けた特定健診情報のほか、医療機関の薬剤情報や診療日などが記載されている「項目」が見られる。これも現在の紙の保険証でも、ほとんどの医療機関は診療後にレセプト(診療費明細表)として紙のプリントを発行している。





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