大統領選まで半年 インドネシア焦点は副大統領候補者の人選に(上)
Japan In-depth / 2023年8月10日 7時0分
大塚智彦(フリージャーナリスト)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・2024年2月、インドネシアは5年に一度の大統領選挙。
・候補人気1位は僅差でプラボウォ国防相、2位のガンジャルジャワ州知事抑える。
・重要なファクターとなる副大統領候補はまだ出ていない。
東南アジアの大国インドネシアは2024年2月14日、5年に一度の大統領選挙を迎える。投票まで約半年となり大統領候補の顔ぶれはほぼ固まりつつあり、有力3候補者が国民の人気を集め支持を拡大している。
その一方で大統領候補者とペアを組む副大統領候補を巡っては多くの名前が取り沙汰されて報道が続くものの、確定的な候補者はいまだに出てきていないのが現状だ。
10月19日から11月25日に行われる正副大統領候補者登録を目指して今後正副大統領候補の顔ぶれが決まっていくものとみられるが、各陣営による虚々実々の駆け引きが水面下で激しさを増しており、名前が挙げられた候補者やその周辺で一喜一憂する場面が頻出することが確実視されている。
大統領選は5年に一度のインドネシア政治の一大イベントであり、有権者にとっては一種の「お祭り」でもある大統領選の現状と行方を展望してみる。
★大統領候補の有力3氏
これまでに大統領候補として出馬を表明したのは3人で、プラボウォ・スビアント国防相、ガンジャル・プラノウォ中部ジャワ州知事、アニス・バスウェダン元ジャカルタ州知事である。
3候補は各種世論調査で常にトップ3を占め、そのうちガンジャル知事が圧倒的な人気と支持を得てトップランナーの位置をほぼ独占していた。次いでプラボウォ国防相、アニス知事の順番が常だった。
ところが7月3日に民間調査機関LSJが実施した最新の世論調査ではプラボウォ国防相が40.3%とトップに躍り出て、ガンジャル知事は32.6%と2位に甘んじる結果となった。アニス知事は20.7%で相変わらずの3位で、上位2候補の順番が入れ替わったのだった。前日2日に明らかになったポリゴウ研究所の調査ではプラボウォ国防相32.96%、ガンジャル知事32.40%とほぼ互角ながらプラボウォ国防相が僅差でトップとなった。
ジョコ・ウィドド大統領率いる内閣の重要閣僚でもあるプラボウォ国防相の知名度、人気が全国区であるのに対して、人口が集中し政治経済の中心でもあるジャワ島の中部ジャワ州知事に過ぎないガンジャル知事はジャワ中心の支持であることの影響がじわじわと波及して「逆転」に繋がったとの分析もある。
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