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大統領選まで半年 インドネシア焦点は副大統領候補者の人選に(上)

Japan In-depth / 2023年8月10日 7時0分

ガンジャル知事は最大与党で第五代大統領を務めたメガワティ・スカルノプトリ党首の「闘争民主党(PDIP)」の正式党員であり、PDIPの幅広い党勢を背景にしてこれまで支持を得ていたのだった。





それだけに最新の世論調査結果に反映された「逆転」の原因が特にPDIP内部で真剣に分析される事態となっているのだ。





★大統領の立ち位置の変化が影響か





分析の中で浮上しているのが同じくPDIPを最大の支持母体とするジョコ・ウィドド大統領の立ち位置の変化に起因するというものだ。





ガンジャル知事がPDIPの生粋の党員であるのに比べてジョコ・ウィドド大統領は党内の役職がある訳でもなく、ごく普通の一般党員に過ぎないこともあり、PDIP事務局やメガワティ党首とも「蜜月関係」にある訳でもなかった。特に大統領就任後は職務に関してあれやこれやと陰に陽に指示や要望をするPDIP幹部や党首とは懇意な関係を示しながらも一定の距離を置く「面従腹背」の状態がマスコミで度々報じられるなど「微妙な関係」が続けられてきたのだった。





かつては自らの後継大統領としてガンジャル知事を公私に渡って支持してきたジョコ・ウィドド大統領だった。「仕事をする人は白髪になるのだ」と白髪頭のガンジャル知事の仕事を高く評価していた。





ところが2023年に入る頃から、ジョコ・ウィドド大統領のガンジャル知事支持が陰を潜め、どちらかというとプラボウォ国防相との関係が深まっていると度々マスコミで報じられる事態になった。





★大統領、党の指導に嫌気か





この姿勢の変化の背景にジョコ・ウィドド大統領とメガワティ党首の暗闘があるのではないかとの見方がある。





最高権力者である大統領職にあるジョコ・ウィドド氏に対してPDIP、特にメガワティ党首はあれこれ指示や提案をするなど「干渉」することが多く、ジョコ・ウィドド大統領は表向き受け止めながらも、側近の閣僚らの助言もあり、完全にそれを履行することが少なくなっており、隙間風が吹く状態になっているというのだ。





それがPDIP指導部の言いなりになっているガンジャル知事離れとプラボウォ国防相接近の背景にあるという。





★スハルト大統領の女婿プラボウォ国防相





プラボウォ国防相は1998年に経済危機や民主化要求で崩壊した32年に渡るスハルト長期独裁政権下で陸軍特殊部隊や戦略予備軍などの重責を担ったエリート軍人で、子供に軍人がいなかったスハルト大統領の女婿となって重要な役割を担った経歴がある(現在は離婚)。





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