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ジャニーズ問題で明るみに出た男性性被害

Japan In-depth / 2023年8月14日 23時0分

■ 性犯罪の防止にに取り組む当事者団体に聞く





こうした状況に対して、性犯罪の当事者団体である一般社団法人Springの幹事で西東京市市議会議員の納田さおり氏は次のように語った。









▲写真 zoomでの取材の様子(2023年7月9日)出典:Japan In-depth編集部





編集部: 性被害に遭われた方々は、その後の人生を生きる上でどのような点に生きづらさを抱えるのでしょうか。





納田氏: 性犯罪はその人の人生に大きな被害の影響を与えるものだと痛感しています。例えば幼少期に被害にあった場合は、一生モノのトラウマになることが多いです。すぐに鬱などの様々な症状が表に出るわけではありませんが、何年も経ってからいきなり発症する場合があります。電車で痴漢にあった場合は電車に乗ることができなくなるなど、深刻な症状が発症するケースが多くみられます。ある程度時間が経っても、被害にあった日が近付くと何らかの症状が出てしまう「記念日反応」に陥ってしまう人もいます。





編集部: 上記の点について、男性被害者の場合と女性被害者の場合で違いはありますか。また、あるとしたらどのような違いでしょうか。





納田氏: 男性被害者の方は女性被害者とはまた異なる傷を負います。というのも男性は社会の中で「男らしさ」を背負わされており、「なぜ逃げられなかったのか」「逃げられなかった自分が悪いのではないか」と自らを責めてしまうケースが多いのです。女性被害者の場合も、例えばミニスカートを履いていて被害にあった場合は、「危機意識が足りない」「そんな格好をしているのが悪い」と言われてしまうのが現状ですが、男性はさらに責められる傾向にあります。社会全体の性被害者に対する見方が変わって欲しいと思います。





編集部: ありがとうございます。そうした「男なのに」「抵抗できたはずなのに」という視点が、裁判には何か影響をもたらすのでしょうか。





納田氏: こうした視点、というよりも、もともと法制度が男性に不利なものでした。実は、長年男性が性犯罪被害者として認められることは法律的に不可能だったのです。2017年に110年ぶりの性犯罪に関する法律の改正が行われ、これまで女性に限定されていた強姦罪の被害者が「性別を問わない」ことになりました。そうした意味では、法廷の中では「逆男尊女卑」であったと言えますね。





編集部: そうした法律上の不平等に関連して、貴法人のHPでは「刑法性犯罪規定の改正」を目指しアドボカシー運動とロビイングに取り組まれていると拝見しました。改正にあたり、どのような課題があるでしょうか?





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