ロシア、85年前の武力衝突で日本非難 制裁の報復か、北方領土でけん制も
Japan In-depth / 2023年8月17日 23時0分
もっともらしく聞こえるが、そういう理屈は通用しないだろう。
理性の通じない相手だけに、嫌気がさすのは理解できるが、不当な主張を放置しておけば、それを追認することになりはしまいか。「日本はわれわれの主張に反論できなかった」という悪宣伝に利用される恐れもあるだろう。
23年7月に、ロシアのメドベージェフ国家安全保障会議副議長(前大統領)が、ウクライナへの侵略戦争に関して、「広島、長崎への原爆投下と同じことをすれば解決する」と核使用を示唆して恫喝した時も、日本政府は被爆国として何の抗議もしなかった。
政府の生ぬるい方針と同様に指摘しておきたいのは日本のメディアの対応だ。ロシアの声明を知ってか知らずか、時事通信が報じた程度でほとんどの社は無視した。感覚の鈍さは同罪だろう。
8月後半のこの時期は、時あたかも78年前、ソ連が北方4島を奪って日本の主権を蹂躙した期間。領土問題を考えるうえで、決してわすれてはならない時だ。
ロシア声明は「歴史の教訓に目を向けることは重要」と指摘しているが、日本もロシアの歴史的な蛮行を思い起こさなければなるまい。
いまからでも遅くはない。このタイミングを逃すことなく、日本政府はロシアに厳重抗議をすべきだろう。
沈黙は無法国家の思うつぼだ。
*1張鼓峰事件
日中戦争勃発の翌年、1938(昭和13年)7月から8月にかけて、満州国東南端のソ連・満州国国境地帯の丘陵で起きた日本軍とソ連軍による大規模軍事衝突。国境線をめぐって長年対立してきたソ連国境警備隊と日本の第19師団が7月中旬から小競り合いを始め、次第に激しい戦闘に発展。日本軍は苦戦を強いられたが、双方にかなりの損害が出て8月10日、日本側がモスクワの大使館を通じて停戦を申し入れた。翌11日に協定が成立、戦闘が終了した。
トップ写真:岸田外務大臣(当時)とプーチン露大統領会談 2016年12月2日 ロシア・サンクトペテルブルグ
出典:外務省
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