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ジャニーズ事務所、自ら招いたいばらの道

Japan In-depth / 2023年9月10日 17時32分

ジャニーズ事務所、自ら招いたいばらの道




安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)





【まとめ】





・会見で、藤島ジュリー景子氏の社長退任と東山紀之の新代表取締役社長就任が発表。





・しかし、社会に事務所再生への意志を確信させたとはとても言えない。





・被害者とどのような「対話」がなされるのか、「法を超えての救済」が行われるのか。





 





ジャニーズ事務所(以下、事務所)が9月7日、都内で会見を行った。4時間超に及ぶ会見では、さまざまな質問が飛び交ったが、事務所の発表と質問に対する回答は、社会に事務所再生への意志を確信させたとはとても言えず、むしろ逆だった。以下、筆者がそう断じる理由を列挙する。





第一に、新社長が所属タレントの東山紀之氏になったことだ。





会見で藤島ジュリー景子氏は、自身の社長退任と新しい代表取締役社長に東山紀之氏が就くことを発表した。しかし、東山氏は事務所の所属の看板最年長タレントであり、ジャニー喜多川氏の性的虐待について知りうる立場だった。その東山氏が社長となって一体何が変わるのか、誰もが懐疑的にならざるを得ないだろう。









▲写真 涙ぐむ藤島ジュリー景子氏(2023年9月7日 東京都・千代田区)出典:Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images





また、東山氏には自身のパワハラ、セクハラ疑惑がある。会見でそれが事実かどうか尋ねられ、本人は否定したが、疑惑を持たれている時点で改革に適任とはとても思えない。なぜ外部から人を招かなかったのか、大いに疑問が残る。





第二に、藤島氏が代表取締役として残留することだ。代表取締役が2名といういびつな体制になる。藤島氏はその理由として、「いろんなことを決めていく上で、代表取締役でいて補償について議論していく立場である方が事務所の中で良いと判断してこの形でとどまっております。補償が速やかに進めば代表取締役か降りるということを考えている」と話した。





しかし、代表取締役でなくても、補償、救済の議論には参加出来るわけで、この説明にも疑問が残った。自分が代表取締役にとどまらねばならない他の理由があるのだろうか。余計な憶測を呼ぶという意味においても、理解に苦しむ判断だ。





第三に、屋号がジャニーズ事務所のままであることだ。ジャニー喜多川氏による人類史上最悪と言われる未成年に対する性的虐待事件である。被害者の中には、ジャニーズの名前を見聞きしただけでフラッシュバックが起きると話す人もいる。東山氏は、屋号を変更しない理由について問われ、「そのことに対してどうすべきか議論はしました。これを引き続き、守るべきなのかいろんな解釈がみんなの中にもありましたし、ジャニーズというのは創業者の名前、初代のグループの名前でもありますが、何より大事なのは、これまでタレントさんが培ってきたエネルギーであるとかプライドだと思っているので、その表現のひとつでもいいんじゃないかと思っております」と述べた。









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