ラマスワミ米大統領候補が注目される理由
Japan In-depth / 2023年9月26日 11時3分
「ブラックロック、ステート・ストリート、バンガード(いずれも巨大な資産運用機関―島田 注)は人類史上最も強力なカルテルと評しても過言ではない。それら機関は、主要な公開企業ほとんど全ての最大株主となっており、互いに株を持ち合ってもいる。そして『皆さんの』資金をテコにして、各企業の取締役会にESG推進的な事業計画を押し付けている。投資効率は二の次で、イデオロギーが優先されている。大統領として、私はこうした動きの背後にある政府の『見えざる拳』を断ち切る」
ラマスワミは、自分が大統領になった暁には、行政の長として、反ESG、反ウォークの立場を連邦政府各機関に徹底させ、経済成長重視の立場を徹底させると言う。投資管理は彼の得意分野で、専門知識が豊かで、成功体験も有している。
ラマスワミははっきり、ESGは西ヨーロッパ発のカルトに他ならないとまで言う。
「我々の建国の父たちは、旧世界君主制からの独立を宣言するため、アメリカ革命を戦った。それは今また、ESGや『ステークホルダー資本主義』の形で頭をもたげている」(2023年9月16日付Xポスト)
「ステークホルダー資本主義」とは、従業員、顧客、取引業者、地域社会などあらゆるステークホルダー(利害関係者)に利益をもたらす企業統治(コーポレートガバナンス)を指し、本来正当な側面も持つ発想だが、往々にして、左翼活動家が主導する「黒人の命は大事」運動(BLM)や脱炭素原理主義、LGBTイデオロギーへの賛同と支援を経営陣に強要する形を取る。
やはり共和党大統領予備選に出馬し、現在支持率2位のロン・デサンティス・フロリダ州知事と同州に広大なテーマパークを持ち、かなりの程度自治権を与えられてきたディズニー社のいまだ続く争闘はその典型例である。
この場合、発端は、知事が主導した「教室で児童にLGBT教育を行ってはならない」とする州法(「教育における親の権利法」)だった。
ディズニー本社(カリフォルニア州バーバンク)の左派的労働者グループに突き上げられた同社CEOが、この州法は差別的かつ教育現場における言論の自由の侵害だと批判し、デサンティス知事が「中国で手広く商売し、共産党の抑圧に沈黙しているディズニーが偽善的なことを言うな」と反論し、法廷闘争を含む、全米の耳目を集める対立に発展した。
このLGBT問題に関し、ラマスワミは次のように言う。
「児童の混乱を『そのまま受け入れる』態度は思いやりではない。それは残酷だ。トランスジェンダーは精神的疾患であり、そうしたものとして治療されねばならない。我々の子供を守れ」(9月9日付Xポスト)
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