日本のサポーターよ、原点に戻れ スポーツの秋2023 その4
Japan In-depth / 2023年10月1日 11時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・最近の日本代表はヨーロッパのトップリーグでもまれている者ばかり。
・浦和レッズ、サポーターの暴力行為で来年度天皇杯参加資格剥奪。
・次のワールドカップが楽しみだという空気に水を差す。
9月10日(日本時間)、サッカー日本代表がドイツ代表とアウェイで対戦した。結果は4-1で圧勝。
サッカーでは一般に、3点差がつけば相手を粉砕したとかされたと表現するので、ドイツはホームで日本に粉砕されたことになる。
所詮は親善試合に過ぎないから、とか、ドイツ代表がどうもまとまりに欠ける印象を受けた、などといった声も聞かれたが、私に言わせればいずれも結果論だ。
ご案内の通り、昨年のワールドカップ・カタール大会において、日本は優勝4回を誇る強豪に逆転勝利し、その強豪ドイツを1次リーグ敗退に追い込んだ。
ドイツ代表にしてみれば、八つ裂きにしても飽き足らない、とまでは言わないにせよ、ホームで連敗の憂き目を見ることなど、あってはならなかった。
しかしながら前述の通りの結果で、ドイツのメディアは「大惨事」などと書き立て、ハンジ・フリック監督とコーチ二人は解任の沙汰となったのである。
たしかに、左サイドバックが本職の選手を右で起用するなど、ドイツの戦術は「敵方」でさえ首をかしげたくなる面があったが、日本の右サイドがやりたい放題に近いゲーム展開になったのは、やはり「イナズマ・ジュンヤ」こと伊東純也のスピードと、今や日本代表のお家芸とも言える、見事な中盤の連携であった。
それ以上に、ケガでしばらく戦列を離れていた冨安健洋が、素晴らしい働きを見せた。
前半10分、伊藤のゴールで日本が先制したが、18分にドイツのミッドフィルダー、レロイ・サネに突破され、同点ゴールを決められた。しかし22分に上田が追加点を奪う。
そして、日本が1点リードした前半終了間際に、またしてもサネが突破を図り、キーパーと1対1になりかけた。
ここでチャージした富安が、俊足のサネに追いつき、足を出してシュートコースを消し、コーナーキックに逃れたのだ。再び同点ゴールを決められていたら、試合の流れがどうなっていたことか。
後半にもサネが突破を図ったシーンで、追いついたばかりか体当たりで吹っ飛ばし、ノーファウルでボールを奪った。
たとえ故意でなくとも足をかけたり、ユニフォームを引っ張る行為は反則だが、肩からぶちかますのは正当な守備なのである。
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