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仏、中東情勢受け、不穏な空気に包まれる

Japan In-depth / 2023年10月18日 17時0分

そこで18歳になった時点で、彼自身で亡命申請をしたが、しかし、その申請も通らなかった。ちなみに、モハメッド・Mの兄の一人は、2019年にテロ計画の失敗とその後の謝罪行為の一環として逮捕され、保護刑務所に投獄されていた記録もある。こういった家族構成も申請が通らない理由の一つになったかまではわからないが、申請が通らないということは、そこで強制送還されることになるのが通常だ。だが、ウクライナ戦争のため、2022年2月末にはロシアへの強制送還は停止されていたためフランスから追放されることもなくフランスに滞在できていたが、つい最近、要注意人物として監視対象とされる人物のリスト「Sリスト」に登録されることとなった。


 


■問題ある外国人の国外追放を求めるダルマナン内相


高校を襲撃した容疑者、モハメッド・Mが、強制送還されるべき外国人だったことと、監視対象者としてSリストに載っていた人物が事件を起こしたことはフランス国内ではかなり問題視された。要注意人物と知りながら犯行を未然に防げなかったからだ。監視は適切に行われていた。しかし監視だけでは犯罪を防ぎきれない。それ以前に、問題ある外国人が国外追放されていれば今回のような事件は起こらなかっただろう。そこで14日土曜日に行われた記者会見で、ダルマナン内相は、「危険とみなされる外国人の滞在許可の取り消し」を呼びかけた。これは、現在話し合いが行われている移民に対しての法案にも盛り込まれている内容だ。


現在、要注意人物とされ、監視対象となっている人物はフランス全体で約5100人いる。大多数はフランス国籍だが、その中には外国人も含まれている。しかし、Sリストに載っているだけでは強制送還できない。今後は、こういった状況を改善していきたいという狙いだ。


ロシアに関しては、戦争の影響で現在強制送還は行われていなかった。フランス国内には、問題があるとされているロシア国籍者は約60人滞在しており、そのうち40人は投獄されているか拘束されている。だが、残りの約20人は国外追放の対象者にもかかわらず現在保留されている状態だ。そこで、ロシア当局と合意が得られれば強制送還するとした。


フランスでは、2017年以降、すでに約800人の過激派の外国人が国外追放されている。ロシアとの合意が得られた場合、さらにこの約20人が人数に加わることになる。


 


■アラスの高校襲撃だけではなく、爆弾予告も


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