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かっこいい喫煙者でありたかった たまにはタバコの話でも その2

Japan In-depth / 2023年10月19日 17時0分

かっこいい喫煙者でありたかった たまにはタバコの話でも その2




林信吾(作家・ジャーナリスト)





林信吾の「西方見聞録」





【まとめ】





・「悪いこと」だからこそ経験してみたかった、という好奇心からタバコに手を出した。





・私にとって喫煙とは一種のファッションアイテムだった。





・現在の価格設定はさすがに異常ではないか。





 





前回の最後の方で、タバコを休むことになった経緯について述べさせていただいたが、今回はもう少し遡って、タバコを吸うようになった経緯から語らせていただこう。





初めての喫煙は中学生の時だが、私の両親はいずれも非喫煙者であったので、家にタバコが置いてある、ということはなく、また、昔も今も非喫煙者はタバコの臭いをひどく嫌うので、密かに買ってきて隠れて吸っていた。





いつの頃からか。受動喫煙の問題がやかましくなって、マンションなどのベランダに出て喫煙する「ホタル族」と称される人たちが話題になったりもした(遠目には蛍が光っているように見えるのだとか)が、私も部屋の窓を開けて煙を外に吐き出していたわけだ。





私以外にも、タバコに手を出すような中学生はいたが、たいてい家族に喫煙者がいて





「どうしてタバコを吸ったのか。そこにタバコがあったからだ」





という経緯であった。





早い話が好奇心だが、悪いことだと思わなかったのか、と言われれば、その思いはあった。と言うより「悪いこと」だからこそ経験してみたかった、というベクトルの好奇心ではなかっただろうか。





高校に進学すると、それほど荒れた学校という印象もなかったが(教師の認識は違っていたかも知れない笑)、タバコなど非行のうちに入らない、という気風さえあったのだ。しかし私自身は高校3年間、事実上タバコを休んでいた。天邪鬼というのか反骨精神というのか、





「やってはいけない、と言われるとやってみたくなる年頃」





が中学時代の私だとすれば、





「みんながタバコを吸うから自分も、というのは馬鹿のやること」





などと粋がっているのが、高校生時代の私であった。





話を戻して、中学時代に初めてたしなんだタバコはセブンスターであった。今はどうなのか知らないが、1970年代にはベストセラーと言うか定番と言うか、そういう存在で、そもそもタバコの味など分からないから、とりあえずビールならぬ、とりあえずセブンスターでよいだろう、くらいの考えであった。考えというほどのことでもないが。





前述のように、私以外にも喫煙する中高生はいたが、ツッパリと呼ばれる不良じみた生徒(当時ヤンキーという呼称はあまり聞かれなかった)の間ではショートホープが人気で、皆ショッポと呼んでいた。





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