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ジョブズが求めた禅、「今」への可能性~福井・永平寺から禅、ウェルビーイング、AIを考える~

Japan In-depth / 2023年10月31日 23時0分

▲写真 シリコンバレーでジョブズと親交を深めた写真家、小平尚典氏は「ジョブズは乙川弘文氏に救われた」と話した(筆者撮影)





そのジョブズが、弘文が修行した永平寺参りを望んでいた。それは北陸・福井の奥深くにある。





福井県観光連盟・観光地域づくりマネージャー、佐竹正範氏は、今年がジョブズの13回忌であることに目をつけ、「ダイアログ」を企画した。福井県後援ではなく、地元企業などの支援で開いた実験的なイベントだ。また、ウェルビーイング関連イベントは、今やブームだが、福井県は「日本一幸福な県」に5回選ばれた(一般財団法人日本総合研究所編「全47都道府県幸福度ランキング」で2014、16、18、20、22年にトップ)。





福井から発信できるメッセージが果たしてあるのか。





「新型コロナウイルスのパンデミックを経て、社会は、ウェルビーイングは、どう変わっていくのか。幸せになるための希望や真理について考えていく機会にしたい」





とイベントの冒頭、佐竹氏は狙いを話す。参加者らが、うなずいた。









▲写真 「ZEN×Well-beingダイアログ」の仕掛け人となった佐竹正範氏(右)筆者撮影





「そこにある禅」と題した最初の話は、滋賀県・曹洞宗清水山長谷院堂司の村田浩道氏から。





彼によると、ジョブズの名言「Stay hungry, stay foolish」は、禅の影響を受けた言葉といわれる。ジョブズが弘文に「永平寺に行きたい」と伝えたところ、弘文は「ここにないものは、永平寺にもない」とたしなめた。Stay hungryあるいはfoolishな行いを愚直にまっすぐ続ける、そうすると、自分にしかできない、それしかあり得ない生き方がどこでも見つかるという教えだった。





禅というと坐禅など厳しい修行の印象があるが、修行と悟りは一体であると村田氏。大切なのは「そこにある禅を見つける」ということだと説く。ジョブズは、シリコンバレーでそれを見出したに違いない。





鎌倉マインドフルネス・ラボ社長、宍戸幹央氏は、マインドフルネス(あるがままの状態を知覚する)関連の企業研修・人材育成などを支援している経験から語る。





「ChatGPTが登場したが、(AIが取り沙汰されるからこそ)禅の心がますます大切になってくる。自我を削ぎ落としていくことこそが禅。だから、ambition(野望)のような雑念に振り回されるよりも、願いや内側から湧き上がってくるaspirationが大事。今、今という時に心をこめて生きていくのがZEN×Well-beingではないか」





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