現場からの医療改革推進協議会シンポジウム
Japan In-depth / 2023年11月22日 12時0分
上昌広(医療ガバナンス研究所理事長)
「上昌広と福島県浜通り便り」
【まとめ】
・11月25、26日、「現場からの医療改革推進協議会シンポジウム」が開催される。
・「福島をみなで助けよう」という主旨の演題から、変わって増えたのが福島のノウハウを共有すること。
・3.11以降、福島には優秀な人材が集い、地元の人々と共に新たなコミュニティを形成した。
11月25、26日の2日間、東京都港区三田の建築会館で「現場からの医療改革推進協議会シンポジウム」が開催される。毎年11月に開かれ、今年で18回目となる。会場参加に加え、オンラインでの聴講も可能だ。ご興味のある方は、以下のサイトからご登録いただきたい。昨年の動画は、以下のページから閲覧可能だ。
このシンポジウムは、2006年の福島県立大野病院産科医師逮捕事件をきっかけに始まった。発起人には舛添要一参議院議員(当時)、仙谷由人衆議院議員(当時)など35人が名を連ねる。私と鈴木寛参議院議員(当時、現東京大学教授、慶應義塾大学特任教授)が事務局長を務め、運営は医療ガバナンス研究所のスタッフや学生ボランティアが担当する(写真1)。このあたりの経緯については、以前、本連載でご紹介した。
この会の目的は、様々な分野の専門家が集まり、議論を深め、行動することだ。これまでに、発足のきっかけとなった医療事故問題をはじめ、医師・看護師不足、高額療養費問題、東日本大震災後の復興など、様々な問題を扱ってきた。
国家の政策形成に影響を与えたこともある。現行の医療事故調査体制や、国際医療福祉大学などの医学部新設に繋がった医学部定員増員の素案は、この会が中心となって作成したものだ。いずれも当初の厚労省案とは異なり、メディアも巻き込んだ激しい論戦が繰り広げられ、最終的に政治決着した。発起人である舛添氏や故仙谷氏は、厚労大臣や官房長官在籍中に「現場からの医療改革推進協議会のメンバーが自分のブレインである」という発言をし、審議会などのメンバーに抜擢している。
発足の経緯もあり、このシンポジウムには、福島県関係者が多数登壇する。今年のプログラムでは以下の通りだ。
●セッション2:相馬、この一年 立谷秀清・福島県相馬市長、全国市長会会長
●セッション4:地域医療のサバイバル戦略
福島県いわき市における医師不足と現状改善の試み 尾崎章彦・ときわ会常磐病院乳腺甲状腺外科診療部長
鹿島厚生病院の訪問診療を継続していくために 根本剛・鹿島厚生病院在宅診療科
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