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平均年収でも「安すぎる」・・・? こんな日本に誰がした その3

Japan In-depth / 2023年11月23日 21時22分

これを踏まえて、前掲書のデータよりさらに新しい『令和4年分民間給与実態統計調査』を見ると、平均年収は443万円、中央値は399万円となっている。





さらに、世帯年収の平均は545.7万円、中央値は423万円となる。こちらは厚生労働省が公開した『2022年国民生活基礎調査の概要』から割り出された。





2018年時点では、中央値が437万円だったので、やや低くなっていることが分かる。





中央値が平均値よりやや低い数値になるのは、とりたてて不自然なことでもないが、平均値が少しずつでも上昇しているのに中央値は下がっている、という点に着目したならば、また別の側面も見えてくる。





ある大手アパレル企業の経営者は、世界有数のリッチマンだが、その店舗で働くアルバイト店員の時給など知れたものである。しかも同じアルバイトでも、店長候補は時給1450円、倉庫勤務は950円といった格差があると聞く。





社名を伏せてあるのは「金額は推定」だからだが、いずれにせよ、この会社の全社員を対象に、年収の「平均値」や「中央値」を割り出したところで、一体なにが証明されるのか。





もちろん一般論としては、こうした統計データは有意義で、前述のような基礎データだけでも、ちゃんと見方が分かってさえいれば、





「一部の富裕層が所得水準の平均を引き上げている」





「中央値が下がっているということは、平均年収に満たない人が増えてきているから」





ということが容易に見て取れるのだ。





さらに言えば、男女格差や正社員と非正規雇用との格差にも注目しなくてはならない。





『令和4年分民間給与実態統計調査』によれば、給与所得者の平均年収は、男性が563万円、女性が314万円となっている(男女計457万6000円)である。





『PRESIDENT』誌などの調査では、昨今わが国では、





「年収600万円を超えたら〈勝ち組〉」





と考える人が多いようだが、前述の統計にこれを当てはめると、男性は33.4%が〈勝ち組〉にカウントされるのに対し、女性は8.2%でしかない(男女計22.6%)。





正規・非正規雇用の格差について言えば、前述のように平均年収は457万6000円であるが、正社員だけで見た場合には523万3000円となる。非正規雇用者を含めての統計とは、70万円ほども開きがある。今や日本の勤労人口の36.9%は非正規雇用なので(公益財団法人生命保険文化センター調べ)、こういう数字が出ても不思議はない。





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