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平均年収でも「安すぎる」・・・? こんな日本に誰がした その3

Japan In-depth / 2023年11月23日 21時22分

連合(日本労働組合総連合会)の調査によれば、この春にはおよそ30年ぶりという高水準の賃上げが実現したが、これとておおむね正社員に限られた話である。





非正規雇用者の暮らし向きは、最低賃金から想像がつくものだが、今年10月にようやく全国平均1004円と大台に乗ったものの、自治体別に見ると1000円未満のケースがまだまだ多い。





冒頭で紹介した本に話を戻すと、平均年収でも外食すらままならない、ということになる主たる原因は、子どもの教育費だ。多くの人が、そのように考えている。





その一方で、非正規雇用では結婚して子どもを持つこと自体が不可能に近い、という現実に、我々はもっと着目するべきではないだろうか。くどいようだが、平均年収は年収の中央値よりやや上なので、これが「絶望的」だったら、非正規雇用者は一体どうなるのか、という話である。





実際、昨今の日本は貧困が蔓延している。





OECD(経済協力開発機構)は、その国の平均年収の半分以下しか稼げていない人を貧困と定義するのだが、今や18歳以下の日本人のうち7人に1人、一人親世帯の子どもの場合は2人に1人が貧困状態にある。





以前にも本連載で指摘したことがあるが、これはマクロで見れば





OECD加盟38カ国中でも最低レベルであるし、ミクロで見れば、一日の食事で、ちゃんと栄養バランスが取れているのは昼の学校給食だけといったケースさえあるという。事実ニュースサイトなどでは、





「うちはお金がなくて晩ご飯が出ないから、恥ずかしいけど給食を2~3人分食べます」





というナレーションと女の子の映像を流して、募金を呼びかける広告を連日目にする。





言うまでもないことだが、こうした子どもたちのことを考えれば、スターバックスを我慢するから「絶望的」とはなにごとか……という話ではない。平均賃金でも「健康で文化的な生活」を送るのが難しくなってきていることは事実であり、その理由を突き詰めて行くと、それこそ「絶望的」なまでの格差社会で、データ上の「平均」「中流」と生活実感がかけ離れてきている、というところへ行き着く。





そして、なにより重要なことは、一日3回ちゃんと食べられない子どもを救済するのは、募金などの善意に頼るのではなく、政治がしっかりとその責任を果たさなければならない、ということだ。





トップ写真:イメージ(本文とは関係ありません)出典:Yuki Kondo/GettyImages




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