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「イスラエル・ロビー」とはなにか その2 ロビーには厳しい規制も

Japan In-depth / 2023年11月25日 12時35分

こうした法的条件に当てはまるロビー活動家は明確にロビイストとして連邦議会上下両院の事務局長あてに届け出ねばならない。ロビイング規制法により義務づけられるこの届け出は1年に4回、それぞれ以下の項目を書類で報告する必要がある。



代表する団体あるいは個人の名前
ロビイングをすることへの報酬額とその詳細
実際のロビー活動の内容と支出の内訳

 


以上のようなロビイング規制法に基づく連邦議会への正式の届け出のあるロビイストはいつも3000から6,7000人とされる。その届け出のあった人たちは本格的な職業ロビイストだといえよう。それら個々人の特徴は代表する母体の性格により異なるが、連邦議会の議員経験者や政府の元高官という政治の経歴や影響力を持つ人物たちが多い。イスラエル・ロビーの場合はユダヤ人国家であるイスラエルの運命に連帯感を抱くユダヤ系人物が多いのは当然である。


こうしたロビイング規制法に基づく本格ロビイストは2023年10月の時点で上下両院合わせての届け出では合計7111人だった。それらのロビイストが代表する組織、団体の総数は5666だった。


 


アメリカの国政でのロビー活動にはもうひとつ、大きな法的な規制がある。


それは第二のロビイングへの法的規制としての「外国代理人登録法」である。アメリカのロビイングの特色としては、その活動に外国人、外国団体が参加できることだ。アメリカ在住の外国人が直接に連邦議員に接触してのロビー活動を展開することもできる。外国政府が自国に有利な法律をアメリカ議会で成立させようと意図して、プロのロビイストを雇うこともできる。アメリカのロビーは外国の人間や団体、政府までにドアが開かれているのだ。ただしその外国ロビイストには別個の規則が適用される。それが「外国代理人登録法」なのだ。


アメリカ国内で外国の団体、あるいは個人の利害のために働く人で、議会対策など一定の政治や広報の業務にかかわる人は「外国代理人」としてアメリカ司法省に登録しなければならない。


たとえばイスラエル政府のために対米議会工作をするロビイストはまず外国代理人として届け出ねばならない。司法省へのこの報告は1年に2回、依頼主との契約内容、依頼された仕事の目的、報酬、支出などを細かく届け出なければならないのだ。


だからイスラエル・ロビーのようにイスラエル政府という外国の政府のためにアメリカ議会へのロビー工作を実施する人間はたとえアメリカ人でもまず外国代理人登録法に従っての登録をして、そのうえで前述のロビイング規制法に従っての報告を義務づけられる、というわけだ。


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