消費税という壮大なインチキ(上)こんな日本に誰がした その4
Japan In-depth / 2023年11月28日 18時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・10月から実施されているインボイス制度。
・年商1000万円以下の事業主から消費税を取らなかったのは、税収と徴税コストのバランスが悪いから。
・インボイス制度の導入で税率が上がる業者も。大型間接税どころか「ぼったくり税」。
岸田首相にたいする悪口の中で、最も人口に膾炙しているのは「増税メガネ」だろう。
半世紀以上のキャリアを持つ由緒正しい(?)メガネ族としては、いささか心外でもあるのだが、本シリーズでここまで述べてきたように、物価高騰に見合う賃上げが実現せず、皆が豊かさを実感できていない中、一連の増税策を打ち出してくる政権に対して、国民がいらだちを募らせるのも無理はない。くどいようだがメガネに罪はないけれども笑。
とりわけ私のような零細自営業者にとっては、10月から実施されているインボイス制度は、本当に頭にくる。
すでにマスメディアが取り上げているが、これまで年商1000万円以下の事業主に対しては、消費税の徴収を免除されていた(いわゆる免税事業者)ものが、これ以降、
(1) 消費税分を加算したインボイス(適格請求書)を発行し、納税の義務を負う。
(2) これまで通り免税事業者として事業を継続する。
という二者択一を強いられることとなった。
すでにご承知の読者も少なからずおられようが、前者を選択したならば、取引のたびにインボイスを発行して消費税を納付しなければならなくなる。
ならば後者を選べば……というほど世に中は甘くないので、この場合は、私のようなフリーランスの物書きに当てはめて想定してみると、出版社はほぼ例外なくインボイスを発行する登録業者なので、私が免税御者のままだと、消費税分は出版社の負担となる。
幸いなことに私は林信吾なので笑、今のところ仕事を切られそうな予兆はなく、猶予期間(令和8年9月30日まで)までは放置を決め込むつもりだが、そうは行かない、という立場の人も少なからずいる。零細自営業者など、消費税の納税義務を元請けに押しつけたりしようものなら、たちどころに仕事を切られるリスクがある。いずれにせよ私を含めて、どのみち年収が目減りする(消費税を召し上げられる)のが事実だ。
これに危機感を抱いた声優さんなどフリーランスの人たちが抗議デモを行ったりしたが、あるインフルエンサーが、
「デモなんかしてるヒマがあるならVtubeでも始めたらいい」
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