消費税という壮大なインチキ(上)こんな日本に誰がした その4
Japan In-depth / 2023年11月28日 18時0分
「今まで消費税を着服しておいて……」
などと発信してヒンシュクを買ったようだが、この人は消費税やインボイス制度のなんたるかをまるで調べないまま、勝手なことを言っているのだろう。
そもそも日本における消費税が、どのような議論と政局を経て導入に至ったのか、そこまでさかのぼって詳細に述べる紙数はないので、関心のある向きは拙著『納税者だけが知らない消費税』(葛岡智恭と共著・電子版アドレナライズ。オリジナルの書籍は『今こそ知りたい消費税』NHK生活人新書)をご参照いただきたい。
ここでは、免税業者が今まで「消費税を着服していた」という議論についてみてみよう。
言うまでもないことだが、税金を取り立てるには、それなりのコストがかかる。これまで年商1000万円以下の事業主から消費税を取らなかったのは、税収と徴税コストのバランスが悪いと考えられていたからで、それが今になってインボイス制度が導入されたのかと言えば、もはやなりふり構わず税金を取り立てないと、国庫の収支がもはや「危険水域」に入った……財務省がそう考えるに至ったからであろう。
これは決して私一人の「感想」ではなく、複数のエコノミストや税理士が開陳している。
もうひとつ、税理士協会の内部で囁かれているのは、
「税理士を徴税のアシスタントとして取り込もうということではないか」
ということなのだとか。
これは、外資系企業で長年経理や税務の仕事をして、今では事務所を立ち上げている旧知の友人と、別の税理士の知人からも聞かされたのだが、あくまで「業界の噂」であることは明記しておく。
その前提で、具体的にどういうことなのかというと、インボイス制度と並んで、昨今では電子納税(e-Tax)が普及し、税理士を介さずとも税務署と直接インターネットでやりとりできるようになっている。税理士にしてみれば、申告手続きが特段に複雑になる大企業以外のクライアントが減ることが危惧されるということのようだ。
そこで、インボイス制度導入を機に、月額数千円で個人事業主の税務を引き受けます、という営業を始める事務所が結構見受けられるのだとか。
たしかに、このインボイスは記載欄が多くて扱いが恐ろしく面倒だから、取引のたびに発行するより、月額数千円で税理士と契約できるなら、と考える人も少なくないだろう。
今までの感覚では、税理士と契約するのはそれなりの規模の企業か、個人事業主でも歯科医など実入りのよいひとたちで、もっぱら税金を安くしてもらいためだと考えられていた。ところが、前述の話の通りなら、まさに「税務署の手先」になったと言われても仕方ない。税理士も食べて行かねばならないのだから、批判されるべき事柄ではないと思うが。
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