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消費税という壮大なインチキ(上)こんな日本に誰がした その4

Japan In-depth / 2023年11月28日 18時0分

いずれにせよ、過去に免税業者であった人たちが「消費税を着服していた」などとは、とんでもない言いがかりで、全ては税務を司る財務省の都合で動いたことなのである。





再び「そもそも論」に立ち返ると、くだんのインフルエンサーのみならず、消費税それ自体の問題点について、よく知らない人が多い。





まず「消費税」という名称だが、1987年2月、時の中曽根内閣が大型間接税の導入を柱とした関連法案を提出した際は「売上税」という名称であった。





これで、中曽根内閣は野党のみならず、世論から袋だたきの目に遭った。この前年に行われた衆参同日選挙に際して、首相自身が、





「(国民の多くが反対している)大型間接税は導入しない」





「この顔が、嘘つく顔に見えますか」





などと遊説で発言していたからである。舌の根も乾かないうちに「売上税は中型間接税」などという弁解など、通用するはずもなかった。商店街にまで、中曽根首相の顔をデフォルメして「嘘つく顔を忘れるな」として、売上税導入に反対するポスターが張り出されたほどである。売上税が導入されると、自動的にその分が値上げとなるので、顧客離れが起きることが危惧されたのだ。結局、全国レベルでの反対の声の前に、この法案は廃案となった。





ただ、ここで見ておかなければならないのは、大型か中型かではなく、間接税という呼称がそもそも適正か、ということである。売上税を消費税に置き換えても、問題の本質はなにひとつ変わらない。





間接税の反対語は言うまでもなく直接税だが、所得税や法人税のように「納税義務者と税負担社が同一である」税金のことを、こう定義している。つまり間接税とは、納税義務者と税負担者が別々の存在である制度だ。前述の知人の言葉を借りると、





「林さんなら林さんが買い物をして、お金を払った時点で納税手続きが終わっていれば、それは間接税と呼べるのだけど、消費税はそうじゃないからね。間接税ですらないのだよ」





ということになる。酒税を考えてみれば分かるが、蔵出し(出荷)の段階で課税され、消費者は酒税分を含めた値段で商品を買うわけだから、これは「本物の」間接税である。





一方、消費税に関してはご案内の通り、私なら私に物を売った小売店は、消費税分を加算した金額を受け取るのだが、納税は決算を終えてからになる。一見すると、





「納税義務者は小売店、税負担社は消費者」





ということで間接税の定義に合致しているようだが、実態はそうではない。





なおかつ消費税は「製造業者→問屋→小売店→消費者」といったように取引のプロセス全てに課せられている。インボイス制度の導入により、税負担が増える業者も少なくない。大型間接税どころか「ぼったくり税」と呼ぶのがふさわしいのではないか。





納税それ自体は、日本国憲法にも明記された国民の義務である。私は世に言う「護憲派」とはまた違った意味で憲法を尊重する立場であるから、これには従う。





しかしながら税制や税負担に対しては、異議を申し立てる権利は厳然とあるのだろうと、私は考える。





次回、この問題をもう少し掘り下げて見る。





トップ写真:町工場で旋盤作業に従事する工員(イメージ ※本文とは関係ありません)出典:tdub303/GettyImages




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