アメリカに広がる日本の味覚 その3「良いものは売れる」から「より良いものを売る」へ
Japan In-depth / 2023年12月6日 23時28分
新鮮な魚の販売をも得意としている韓国の店も、これには太刀打ちできないクォリティである。しかも鮮度の上に「豊洲直送」という日本ブランドが乗っかっているのである。
▲写真 活き締め、業者の名前入り(筆者撮影)
毎週末には、日本の職人さんによるマグロの解体ショーが行われ、アメリカのお客が群がる。解体ショーの直後には中落ちが試食で配られ、それを食べたことのないアメリカ人はその美味しさに打ちのめされる。
▲写真 マグロの解体ショーに群がるアメリカ人客(筆者撮影)
既存の客を取り入れるだけではなく、小さい顧客層を広げるべく、こうやって、さほど食卓に魚が並ぶことのないアメリカ人に魚ファンを増やしていくやり方は、国内事業に限界を感じる日本企業が、海外に活路を見出していくやり方に重なる。
アジア系でない、普通のアメリカのスーパーに日本の店をまるまる登場させた現地アメリカの店も大変な決断をしたものだ。これからの展開を楽しみにすると共に、日本のお店にも負けじと頑張って欲しい。
加えてすでにアメリカに浸透した日本の製品も応援したい。
▲写真 ニューヨークのアメリカンスーパーに普通に置いてあるもの。左上から右回り。昔のデザインでインパクトが強いビール、今や健康食品の筆頭格の豆腐、英語になった「パン粉」、完全にアメリカの調味料となった醤油、野球選手で有名になったお菓子、ポテトチップスで有名なメーカーのアメリカ販売主力商品。すべてアメリカ製(筆者撮影)
世界に進出する日本の味覚を、現地に住む日本人として楽しみにしているとともに、この先、日本はどういうチャレンジを見せてくれるのか見たいものだ。
(その1、その2)
トップ写真:アメリカで売られている豊洲直送の金目鯛(筆者撮影)
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